介護の日フォーラム「いざというとき使えない」かも!

基調講演は、淑徳大学 鏡諭教授

基調講演は、淑徳大学 鏡諭教授


介護の日、11月11日に開港記念会館で、介護保険サービス「いざというとき使えない」かも!と題し、フォーラムを開催しました。
第一部は、淑徳大学 コミュニティ政策学部 鏡諭教授からの基調講演。
介護保険は、社会福祉方式とは一線画した保険料をプールして、再分配する「普遍的な制度」だという本来の姿を改めて明示してくださいました。
2015年介護サービス利用者は、605万1100人。過去最高だが被保険者7700万人の7.8%にすぎません。全国平均5514円の介護保険料を納める92%の人は介護保険を利用しておらず、それが、保険料抑制の議論に結びついている。との解説に、だからこそ、現場の「声」というのは、大切なのだと確認しました。
介護離職ゼロをうたう国の声とは裏腹に、介護離職者は年間10万人。今後、30万人も足りなくなるという介護従事者。それを補うための方策に逆行した現状の議論は、どこに向かっているのかという疑問はいつまでも拭えません。
次期改正の議論には、前提に、社会保障国民会議の報告書に基づいた財務省や官邸サイドからの要請があり、給付の見直し、負担増の枠組みがはめられています。公的保険給付の範囲や内容について検討した上で、適正化し、保険料負担の上昇を抑制する。とする方向性が、軽度者へのサービスの見直しにつながっています。
介護保険の本来は、軽度か重度かなどは関係なく、等しくサービスを受ける権利があるはずですが、中重度者への重点化が進められてゆくのが現状です。入り口の(軽度)の支援がなくては、サービスに結びつかず、ある日突然病院へ。という事態になるのではないか?その姿は、国民の安心とは逆行している。と鏡さんは強く訴えていました。
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第2部は、様々な現場からの事例が紹介されました。
家族の形も複雑になり、介護と子育てが同時進行するダブルケアも増えている。国が軽度者と呼ぶ人も、状況は本当に様々で、そのケアは簡単ではないのが現状です。「介護認定を受けた人は、理由があって、丁寧にケアされるべき人。」というケアマネージャーの声が響きました。
実態調査の報告では、サービスを受ける人の多くは軽度者で、80代90代が7割を占める。適切なケアにより、多くは週2回程度の支援で在宅での生活を長く維持することができているという結果もありました。
美しくライトアップされた開港記念会館

美しくライトアップされた開港記念会館


開港記念会館の講堂を埋める多くの人が、その後ろにたくさんの当事者の人の声を背負って参加しています。
諦めずにアクションを続けていこう!と「介護の日」に気持ちを新たにしました。