いのちに意味がある。ー奥田知志さんを迎えてー

2017年10月14日 12時01分 | カテゴリー: 活動報告, 生活困窮者支援・若者支援

淡々と、でも熱く語る「いのち」についてのお話。心に響きます。

9月28日生活困窮者自立支援チームで、NPO法人 抱樸 理事長の奥田知志さんをお迎えし、お話を伺いました。
奥田さんは、北九州で長くホームレス支援に携わり、現在社会保障審議会で見直しが検討されている生活困窮者自立支援制度の生活困窮者自立支援及び生活保護部会委員として、最前線の議論に参加するお一人です。

タイトルは「いのちに意味がある」
これだけでも生活困窮者自立支援制度が内包する対象の幅広さがわかります。
「いのち」の普遍的価値について改めてお話を頂き、今の社会が抱えた課題の根底が「いのちに意味がある」ことに根差してはいない。ということが見えてきました。
私たちは、やまゆり園で起きた悲劇によって、「生産性」と「いのち」を結びつけ、いのちの意味を一方的に決めつける価値観の存在を知らされました。困窮者支援に携わる人は、いのちの普遍的価値の基に支援を行わなければならない。と奥田さんは強く仰います。
重度の障害を持つお子さんを育て、看取った母親が、やまゆり園の事件に憤り涙ながらに「(娘との時間は)不幸ではなかった。・・・けれど大変だった」と語ったエピソードがとても印象的でした。
「いのちに意味がある」ことは大前提に、社会が支えるべき「困難」が存在すること。しっかりと胸に刻んでおかなければならないと感じました。

生活困窮者自立支援制度の対象には、「経済的困窮」と「社会的孤立」という2つの概念がありますが、奥田さんは、これを「ハウス(住宅)」と「ホーム(くらし)」に例えています。奥田さんは、この二つの概念には相関関係があり、スパイラル状態に陥りやすい為、当事者に関わる人たち丸ごとの包括支援と伴走型支援を実践してきました。制度の見直しの中で、出口を就労と増収に置くことでは解決しない。と多くの人が指摘をされていました。この伴走型支援こそが、まさに困窮者支援のとるべき形なのかもしれません。
伴走型支援とは、人生丸ごとの支援であり、出口を定めない支援です。その入り口には「断らない支援」、「出向く支援」が必要です。困窮者支援は「助けて」と言える人、社会を作ることだと奥田さんは言います。日本社会全体に蔓延している「自己責任」といった頼らない生き方を求める気運が、困難を埋没させ、さらに支援を難しくしていると感じます。
次期改定の際、「社会的孤立」という文言が法文に明記されるか否かが、この制度の今後を大きく左右すると言われています。任意事業であった就労支援が必須化されれば、就労に向けた支援のみならず、居場所としての機能を果たせる可能性もあると思います。支援に出口を求めず、あるがままを受け止める柔軟な制度へと育っていくことを願います。