ピッピ・親子サポートネット総会 〜生涯療育「i.care」の実践

2018年5月26日 23時52分 | カテゴリー: 子育て, 教育, 活動報告, 高齢者、障がい児・者福祉

5月最後の土曜日は、ピッピな一日でした。

「こんなサービスが欲しい」という気づきが事業になり、制度に繋がる。そんなピッピ・親子サポートネットの歩みは、今年「ピッピみんなの保育園」という新たな拠点を加え、更なる期待ともに第14回の総会が開催されました。

友澤理事長

これまでも現場から政策提案を続け、横浜市の子育て支援を牽引してきたピッピ。友澤理事長からは、一時保育の利用が減っている。という現状についてお話がありました。

ピッピ保育園での一時保育も、ここ・はっぴいでの一時預かりも共に2017年度は、初めての減少。それは、一時保育を必要とする人が減ったのではなく、配慮が必要な子が増え、利用人数を抑えて対応したことが理由です。家庭の事情も様々で、ソーシャルワークの必要性が高まっている。ということを指摘されていました。
それぞれの事業からも「気づき」を細かに拾い上げる日頃の活動から、また次の支援へと繋がってゆく姿が伺えました。この総会はその場に集う人と、より良い未来を目指す静かな「鬨の声」のように感じました。

私も一言ご挨拶させていただきました。

総会後の企画は、「一人ひとりのニーズに寄り添った支援を行うために、医療・教育・福祉のネットワークづくりを進めるNPO法人あいけあの実践に学ぶ」をテーマに、NPO法人あいけあ 理事長で、特別支援学校の教員でもある 岡安玲さんのお話を聞きました。

重度の障害を持ち、医療ケアが必要な子ども達は、高校卒業後の居場所がどこにもない。ということに課題を感じていた岡安さん。

「なければ創ればいい」

一念発起、多機能型事業所「i.care(アイケア)」(生活介護・放課後等デイサービス)を立ち上げました。
「i.care」は、医療ケアのある障害の重い人たちが、自分らしさを発揮して、地域で豊かに生活できるように「自己実現」を目指し、設立されました。

初めて入所を迎えた4人の写真。その後ろには「入所式」ではなく「入社式」と書かれた横断幕がありました。
自分から思いを発信出来ない重度心身障害児の家庭では、お母さんがほんの少しの顔色、表情、体温の変化を見極めてケアをしています。だからこそ、お母さんと本人は離れられないものだと言います。しかし、高校卒業を機に、自立に向けて離れる。社会に出たという意味で「入社式」
本人はもちろん、孤立しがちな家族を社会とつなぐ、ひとつの言葉に込められた深い意味に感銘を受けました。

icare理事長の岡安玲さん

この立ち上げまでに数多の苦労をくぐり抜けながらも、岡安さんは、次は、訪問型デイサービス事業の制度化を目指し、障害者の就労支援もやっていきたい。と次のステップを見ています。

講演の後はグループトーク。

私のグループでは、「気づきを放っておかない、実現させるのに時間をかけない」岡安さんの姿勢にピッピの活動を重ね、共感と感動をシェアしました。

岡安さんは、本人主体の生活を楽しみ、命を輝かせるような取組を「生涯療育」と名付けていましたが、その言葉に「人によって、必要な権利は違う。ニーズ、教育・療育の期間も違う。」との気づきを得たという意見が出て、私は更に感動してしまうのでした。

会場からは、「重症心身障害者の自立、自己実現とは?」という質問がありました。
それに対し、岡安さんは、「そもそも私たちは一人で自立しているのでしょうか?」と投げかけられました。会場からは、思わず小さな唸り声が・・・。「支援付き自立」であることはもちろんですが、障害の有る無しに関わらず、自立も人それぞれだと気づかされました。「自己実現」については、
彼らが「どんな風に生きたいんだろう。」ということに対し、色んな体験を通して、周りが全力で探す。家族も気づかなかった「心地よいこと、悪いこと」を見つけてもらう。決まったことはないんです。とのお答えでした。

最後に仰った「彼らが存在していること自体が彼らの存在意義。自己実現を通して、彼らの存在が社会を作り変えてゆくんだ」日々、純粋に命と向き合い、前を向き続ける人の言葉として強く心に響きました。

その場にいた恐らく全員が、力をもらった講演。
また、明日から進んでいこう。