気候変動に立ち向かえるか?「横浜市地球温暖化対策実行計画」

西日本での豪雨災害の甚大な被害に際し、被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
この数日、私たちは、またしても自然の猛威の前に立ちすくみ、多くの犠牲を次に活かす試練を与えられました。
災害への備えと身の回りの危険の把握を日頃から行う必要性を思い知り、一方、地球温暖化で災害規模が拡大し、自然破壊や乱開発等がそれに拍車をかける。この悪循環をこれ以上繰り返さないためには、対策が急務です。
横浜市では、「横浜市地球温暖化対策実行計画」改定素案がまとまりました。温暖化が進行する現状では、「緩和策」「適応策」が、2本柱と言われ、一体的な対策が求められています。昨年は1方の柱である「横浜市気候変動適応方針」が策定されたところです。「適応」というと諦めのようなイメージもありますが、「適応策」は、気候変動の影響に対応し、被害を最小化、回避することです。風水害・土砂災害対策、熱中症・感染症対策等がこれにあたります。
横浜市でも21世紀の間に、平均気温は概ね3℃上昇、真夏日日数は40日程度増加、50mm/1時間以上の降雨回数も増加することが予測されています。市内には鶴見川とその支流が流れ、洪水被害も決して他人ごとではありません。
そして一方の「緩和策」は、気候変動の原因となる温室効果ガスの排出を抑制するなど、省エネルギー対策、再生可能エネルギーの導入についての対策を意味し、今回改定を予定されている「横浜市地球温暖化対策実行計画」の内容が問われています。
素案では、横浜市が目指すゴールに「Zero Carbon Yokohama(ゼロカーボンヨコハマ)」つまりパリ協定と同じく「今世紀後半のできるだけ早い時期における温室効果ガス実質排出ゼロ(脱炭素か)の実現」を目指すことが明記されました。
明確な目標として、「ゼロ」を目指すことを掲げたことは、評価するところですが、この目標を掲げたからには、単に国際的情勢というだけではなく、横浜市として、覚悟を持って取り組む必要があります。
その基本方針には、将来像の実現には3つの力(3C)の集結が記されています。
1、【Choice 】選択の力
2、【Creation】創造の力
3、【Collaboration】連携の力

市内における分散型電源導入量の目安


【Choice 】とは、まさにパワーシフト。私たちが自然エネルギーを選ぶことであり、【Creation】は、創エネ含むイノベーションの創出。【Collaboration】は、多様なエネルギーの連携、そして人のつながりを意味します。それぞれ大切な力であると思います。
とはいえ、まだまだゼロカーボンに向けた確固たる道すじは見えません。市内の分散型電源の導入目安も示されましたが、これらを実現する方策はこれから。実効性のある目標として、この先の大きな変革を起こす取り組みを、計画の枠を超えて考える必要を感じます。
また、災害時のエネルギー対策も今後進めていく上では、大切な視点です。
ゼロカーボンの実現に向けた温暖化対策と気候変動への対策の両輪がしっかりと回るエネルギー政策をこれからも提案していきます。
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また、横浜市地球温暖化対策実行計画(市役所編)も同時に改定に向けた素案が提示されています。
かねてから提案して来た「市で使用する電力のグリーン化」も取組方針に組み込まれ、一歩前進の予感。
5月の常任委員会で議題となりました。常任委員会の録画はこちら