関東大震災から95年ー「共に学ぶ」映画鑑賞会

2018年9月3日 16時42分 | カテゴリー: 教育, 活動報告

8月28日、神奈川朝鮮中高級学校にて「共に学ぶ」映画鑑賞会(主催:ビビンバネット=神奈川の朝鮮学校と多文化共生を考える会)が催されました。
関東大震災発生から95年を目前に、関東大震災の朝鮮人虐殺を記録したドキュメンタリー映画『隠された爪痕』を80人の朝鮮学校高校生と日本人参加者が共に鑑賞しました。
『隠された爪痕』は、在日2世の呉充功(オウ・チュンゴン)監督の作品。
映画は、荒川の河川敷をショベルカーが掘り起こすシーンから始まります。虐殺された多くの人の遺骨が眠るとの証言の元、たった3日の期限で河川敷を掘るものの、結局遺骨は見つかりませんでした。広い河川敷の何処かに眠る遺骨を思いながら、映画は、当時殺されかけたアボジ、虐殺を目撃した日本人の証言を繋いで行きます。
さらに朝鮮人虐殺に繋がったデマの広がりはあまりに早く、何がこれを扇動していったのか、映画は掘り下げていきます。
大災害という極限状態とそこで生まれる狂気に戦慄すると共に、当事者であった日本が、真相究明を行わず、この事実を封じ込めてきたことの一端を、この映画は明らかにしているのです。

多くの朝鮮人が連行された習志野収容所から、物のように軍に払い下げられた朝鮮人を一般人が殺めたことがわかっています。その遺骨が眠る場所の近隣に住む高齢女性は、
「デマだかデマじゃないかなんか知らないよ。そのまま大きくなったんだから」と吐き捨てます。
その姿が私たち日本人そのものを写すかのごとく感じ、強いショックを受けました。

関東大震災の朝鮮人虐殺で犠牲になった人は、明らかになっているだけで6485人。その内最多の1700人以上が神奈川県で犠牲になっています。

映画の上映後、呉監督の講演、高校生と日本人参加者とのグループトークも開催されました。高校生からは「関東大震災の虐殺は、今もヘイトスピーチ等の差別につながっている」
「記憶は忘れられる。だからこそ自分たちが伝えていかなければ」
「日本人・朝鮮人の境なく、今を生きる人として、偏らないで捉えたい」といった意見が聞かれました。
一方の日本人参加者からは、「よく知らなかった」と言った声が多くありました。
関東大震災の虐殺事件にも、根底に「差別」があり、この事実を直視すべきは私たち日本人です。差別の根絶には、差別をする側を変える以外に術はありません。
直視し、究明し、風化させることなく伝えていく責任が私たちにはあります。