県外調査2 ー京都国際マンガミュージアム
2日目は、京都国際マンガミュージアムへ。
エンタメ性が高すぎて、視察場所としてはどうなのかな?と正直私は思っていたのですが、「マンガ」を新たなコンテンツと捉えて、活用していく研究開発と、これまで遅れていた保存収集に真面目に取り組んでいる「マンガミュージアム」の取り組みをしっかり視察することができました。
京都国際マンガミュージアムは、1995年に閉校した京都市立龍池小学校の跡地を校舎ごと活用し、京都市と京都精華大学の共同事業により運営されています。
一般公開のミュージアムエリア、京都精華大学研究エリアの他、地元占有エリアとして公民館的要素もあり、会議室やグラウンド(グラウンドは閉館後)は市民利用施設にもなっています。
2000年度教育白書が、マンガ・アニメーションを芸術分野の一つに位置付け、ようやくマンガ・アニメが文化の一領域と認知されました。しかし、マンガは既にその多くが散逸・欠損している状況にあり、早急に体系的に収集、展示及び保存を行う必要性から、総合拠点施設として開設されました。
開館時20万点、現在30万点を収蔵。収蔵作品は、現代の国内マンガを中心に江戸期の戯画浮世絵や明治・大正・昭和のマンガ関連歴史資料、世界各国の著名漫画本・雑誌等となっています。雑誌などは放っておくと50年後にはバラバラになると言われているそうで、現存するものの保存についても研究されています。また、同様の研究機関等と連携し、例えば同人誌に関しては、明治大学が専門と言ったように専門性を分けて収集保存を行ない、データベースを共有しているのだそうです。
実際のミュージアムには、夏休みということもあり、たくさんの子どもたちが訪れていました。総延長約200m約5万冊のマンガが並ぶ「マンガの壁」は壮観。どれでも手に取ることができ、寝転がりながら読み耽ることもできます。実際に子どもたちがあちこちでごろごろしている姿は、微笑ましい限り。
さて、新たなコンテンツ産業と最初に述べたのは、マンガ文化を広めることだけを指している訳ではありません。新しい作家の創出や、新たなコンテンツを生み出すことにも期待が集まっています。こうした創出拠点としての役割や使命について質問しました。
例えば、現在様々な場面でマンガによる説明を目にすることがあると思います。実用マンガ、エッセイマンガといったマンガを用いた啓発に利用されることが増え、読みやすいコミュニケーションツールとして期待されています。誰にでも理解しやすいツールとして更に発展していくことを目的に実用マンガの受注を行なっており、京都精華大学マンガ学部の卒業生なども多く登録しているそうです。また、伝統文化との連携や、失われつつある紙芝居や似顔絵文化などを延命するという役割も感じている。とのことでした。マンガファンの一人としても、応援したいです。