ゲノム編集作物も交雑防止を!

6月29日は、たねと食とひと@フォーラムの『市民による「遺伝子組み換えでない」表示市場調査スタート集会』が開催され、パネルディスカッションのコーディネーターをつとめました。

パネリストは、生活クラブ都市生活の中里さん、練馬・生活者ネットの山﨑まりもさん、たねと食とひと@フォーラムの西分千秋さん。これからの運動を共に考える会となりました。


そして、6月最後の日は、環境農政常任委員会で、初質問でした。
「神奈川県遺伝子組換え作物交雑等防止条例」におけるゲノム編集作物の位置付けについてを問いました。(もう一つ「プラスチック対策」についてを質問しました。)遺伝子組み換えネタが続きます。

神奈川県遺伝子組換え作物交雑等防止条例とは?

この「神奈川県遺伝子組換え作物交雑等防止条例」は、2010年、生活クラブの運動が大きく貢献して策定された、遺伝子組み換え作物が一般作物と交雑しないようにするための県独自の条例です。

生活クラブの調査では、輸入した際にこぼれ落ちたタネなどから、遺伝子組み換え作物が、自生している現状が毎年報告されています。作物を生産していなくてもこうしたことが起きている状況の中、ゲノム編集に関しては、外来遺伝子を入れない限りにおいては規制もなく、届出も任意という状態です。今回の質問は、このゲノム編集作物も交雑防止の観点が必要で、条例の運用上位置付けるべきではないか。というものです。

ゲノム編集食品の扱い

外来の遺伝子を組み込まないゲノム編集食品については、安全性審査や規制も表示義務もありません。2019年から開始された届出制度も任意です。これは、編集された結果が「自然変異」と見分けがつかず、従来育種と区別できないという理由によるものとされています。しかし、ゲノム編集には、意図せざる変異が一定起きることも確認されています。
やはり口にするものは、ちゃんと選びたい。選択の自由を確保するべきと思うのです。

現在のゲノム編集作物の多くは研究機関が行なって、自主的に表示をして流通しているケースがほとんどです。研究の際には、限定された場所で、育成され、環境への影響リスクについても比較的配慮がされています。しかし、手軽にできるゲノム編集技術が広まれば、配慮を行う研究機関以外にも育成が行われるケースが出てくると思われます。今後、ゲノム編集作物が、知らぬ間に有機の畑のお隣で生産されていて、交雑してしまったとしても、何も言えないのです。
有機JAS認証においては、ゲノム編集は禁止。という方向です。神奈川県は、有機農業推進計画を持って、推進する立場でもありますので、これを放置していいのでしょうか?
また、県内には、津久井の大豆など在来種もあります。こうしたタネを守ることも大切です。ゲノム編集が遺伝子組み換えか否かという国の方向性はさておいても、交雑防止の取り組みは重要だと考えます。

委員会の答弁では、交雑の可能性については、「ゼロではない」としつつも、外来遺伝子を入れないゲノム編集については、対象としない。というものでした。これでは、せっかくの条例の意味がない!私もまだまだ力不足を痛感しました。

在来種 いつの間にやら ゲノム稲

なんて川柳がありますが、こうならないための対策を引き続き働きかけていきます。