横浜市における子供の貧困の予防・解決に向けた取り組みの方向性について
私が所属している特別委員会*「孤立を防ぐ地域づくり委員会」では今年のテーマが決定しました。
今年は『横浜市における子供の貧困の予防・解決に向けた取り組みの方向性について』となりました。
子どもの貧困は、いまや6人に1人。 2014年8月に策定された国の「子供の貧困対策に関する大綱」を受けて、横浜市でも、実態を把握するための調査等を行うとともに、子どもの貧困対策に関する計画の策定に向けた検討を進めようという取り組みです。
7月14日行われた委員会では、まずは国の大綱の説明と横浜市での現在の事業や取組について説明を受けました。
大綱では、「教育の支援」として、「学校をプラットフォームとした総合的な子供の貧困対策の展開」、「就学支援の充実」及び「生活困窮世帯等への学習支援」等に取り組むこととされています。
現在横浜市で行われている取組としては、経済的理由により就学困難な児童生徒の保護者に対して、学用品費、入学準備費、宿泊を伴う校外活動費、修学旅行費、クラブ活動費、給食費等の援助を行う“就学奨励”。基本的な生活習慣を身に付けるための生活支援や、将来の進路選択の幅を広げるための高校進学に向けた学習支援等を行う“寄り添い型学習等支援事業”などがあります。
また、生活の支援としては、児童養護施設等を退所した後に、就職や進学等により社会で自立した生活を安定して送れるように、施設等の入所時点から相談、情報提供、就職・進学への支援、居場所の運営等を実施する、“施設等退所後児童に対するアフターケア事業” 。就労に困難を抱える若者及びその保護者を対象として職業的自立に向けた相談支援等を行う、“若者サポートステーション事業”などがあります。
「学校をプラットフォームとした総合的な子供の貧困対策の展開」とするならば、切れ目のない支援が必要です。市と県の隙間、教育と福祉の隙間など支援の隙間を埋める施作が必要と考えます。例えば、寄り添い型学習支援は、中学校までしか行われておらず、高校で途切れてしまう。子どもたちは、高校になっても学習支援を必要としているのではないでしょうか?こういった既に隙間が生まれているところにも、くまなく目を向けていかなければならないと思います。
また、この寄り添い型学習支援は、生活保護世帯のどのくらいに当たるのかと尋ねると、およそ1/3相当とのことでした。まだまだ支援が行きわたっていない現状があるのではないか?と感じました。
今後の実態調査にあたっては、子育て支援の現場などで、「子育てが辛い」といった相談に際し、よく聞いてみると貧困の中にあった。というような事例もあり、そういった子どもたちもしくは保護者に直に触れている現場の人の声もきちんと聞いて欲しい。また、横浜市では、既に市民、NPOなどが、学習支援、就労支援、こども食堂などの取組で心強い活動を始めている団体が多くある。そういった生(ナマ)の声をしっかりと拾って欲しいと要望しました。
社会で孤立化する子どもたちの問題、悲しい事がこれ以上起こらないためにも、すぐにでも取り組んでゆくべき課題と捉え、今後も取り組んでゆきます。
*特別委員会・・・付議事件(市会の議決によって定められた市政の特定の問題)について審査あるいは調査・研究するため、必要に応じて設置される委員会。