SOSを出せる町〜子どもの虐待、いじめ、ひきこもり
9月19日スペースナナ主催、アートフォーラムあざみ野で開催された、ルポライター杉山春さんの講演会に参加しました。
虐待の背景にじっくりと向き合う杉山さんのお話。
目をそらしたくなるような辛い事件を一つひとつ紐解いてゆく作業を通じて、一歩でも前に進んで行こうとする。聞いているだけで、胸が締め付けられる思いでした。
虐待が気付かれずに進んでゆく背景には、現代社会の、異なる価値観が混在する中で、自分をオープンにして他者と関わりあう難しさに加え、メディアの発達と世界観の変化などもあるという指摘。
子育てにつまづきを感じた時に、うまくいかなければいかない程に社会が遠のいてゆく現実…
そういう実感は、小さいながらも自分の中にもある。と気づくと、何とも言えない酸っぱい思いになります。
虐待の防止に最善の策というのは、ないのかもしれません。
一人ひとりの他者への関心や、地域の役目、そして行政のあり方、様々な方面からの複合的アプローチが重要だと感じました。
杉山さんは、支援の制度に繋げてゆくことの重要さを説いていました。横浜市には、子供を虐待から守る条例を始め、様々な制度があります。2016年3月には子どもの貧困対策に関する計画の策定も予定されています。制度や計画はどんどん増えていきますが、横の連携がなければ、隙間からこぼれ落ちる人々はうまれてしまいます。今後の行政の課題を、改めて確認することができました。