ワーカーズ・コレクティブ全国会議in東京 「ひとりひとりが大切にされる地域社会をつくる」

12月5日、日本教育会館で開催された
第12回ワーカーズ・コレクティブ全国会議in東京
「ひとりひとりが大切にされる地域社会をつくる」
〜ワーカーズ・コレクティブはまちのコーディネーター〜
に参加しました。

基調講演は、クルミドコーヒー影山知明さん

ワーカーズ・コレクティブは、労働者協同組合と称されることもありますが、雇われない働きとして、一人ひとりが取り柄や資金を持ち寄って地域に必要な機能を生み出す事業体です。
1982年横浜で最初のワーカーズ・コレクティブにんじんが発足して33年、現在は全国500以上の団体がワーカーズ・コレクティブ・ネットワーク・ジャパン(WNJ)に加入しています。
この日も会場には、北海道から九州まで600人を超えるワーカーズが集結しました。

基調講演は、西国分寺でクルミドコーヒーを経営する影山知明氏。
クルミドコーヒーは、くるみがテーマの子どもたちとかつて子どもだった人々のためのカフェ。『くるみ』には「来る未来」という意味も込められているそうで、この「場」を影山さんは「まちのお座敷」と呼んでいました。
ある種の「場」が人を刺激し、育て、文化を生み、時代を作ることがある。とカフェを捉える影山さん。そこに集う人との出会いから、地域通貨「ぶんじ」を生み出し、まちづくりを進めています。「ぶんじ」は手にした人によって、少しづつ書き加えられ、通過そのものが繋がりを生むという仕掛けが込められていて、クルミドコーヒーのお店のように素敵な演出に、暖かな驚きを感じました。
「まちは樹形に育つ、土に応じた命に応じた樹形に育つ」という言葉、とても印象に残っています。

パネラーのみなさん

その後、明治大学商学部 柳沢敏勝教授がコーディネーターとして、パネルディスカッションが行われました。全国からの報告として、
東京「まちの縁がわ東京準備会の池口葉子さん、
横浜「企業組合ワーコレ・キャリー」伊佐憲明さん、「ワーカーズ・コレクティブはっぴさん」中村久子さん、
千葉「特定非営利活動法人ワーカーズ・コレクティブういず」北田恵子さん、
宮城県女川町「一般社団法人コミュニティスペース うみねこ」八木純子さんの発表がそれぞれありました。
横浜の報告は、「ワーコレ・キャリー」と「はっぴいさん」が共同で進める生前整理・片付け、引き払い事業の報告でした。この事業は、シニアから若者まで多様な人たちの参加を促し、今後の社会状況を見据えた社会的協同組合を目指すとしています。困難を抱えた若者の就労支援事業としても大きな期待が持てる取り組みとして、これからも注目をしていきたいと思います。

総括の中で柳沢敏勝教授は、急速な高齢化が進むこれからの社会では、ワーカーズ・コレクティブの働き方は、世界最先端の取り組みと断言。協同組合や社会的企業の連帯こそが持続可能社会の核になる。とのお話がありました。
今年9月に国連では、『我々の世界を変革する』という革命的なアジェンダが採択されたことにも触れ、これからの世の中を救うのは、人々の結びつきしかない。とワーカーズの働き方が、今後の社会を牽引するとの見方を述べました。
4団体の報告者の皆さんも、やはり「繋がり」「連携」という言葉をキーワードに挙げ、これからの社会が本当に必要としているものの一端を示してくれたように感じました。