中学校昼食を考えるミニフォーラム Part2
16日「中学校昼食を考えるミニフォーラム」をすすき野デポーのふれあいルームで開催しました。
今回は、地元あざみ野中学校に10年に渡りお弁当を配達している「にんじん」のお弁当の試食も行いました。
横浜市では、従来どおり各校が当日のお昼を確保するための「業者弁当」に加え、7月から、横浜市北部の中学校12校から配達弁当「ハマ弁」が開始されました。
今年度中には全校での実施が予定されており、成長期の中学生の昼食を支える制度になっていくのか注目されています。
7月スタートをきったハマ弁の配達個数は、第1週 496個、第2週は、262個(生徒・教職員の合計)でした。第1週の数字で1日平均8.27個/校ということになります。横浜市は日に2割の注文を見越していたことを考えるとまだまだかけ離れた数字といえます。
また、これまで何の支援もなかったお昼の用意が困難な生徒については、2016年度3000万円の予算が計上されていますが、支援そのものは、全校実施のタイミングまでおあずけ。まだ行われていません。3000万という数字に関しては、これまでも度々議論の的となっていますが、小学校で給食の援助を受けている準要保護児童数は22082人です。中学生については、準要保護生徒数は11783人いますが、3000万円では、その1割にしか支援がゆき渡らないことになります。
子どもの貧困対策が大きな社会課題となる中、中学校の昼食が、いまだにその支援の対象となっていないのが現状です。中学生の昼食を取り巻く環境には様々な課題がありますが、まずはこの困っている子に支援が届く制度となっていくことが重要と改めて感じました。
意見交換の中では、中学校の枠をこえ、地域で「食」がきっかけで困り感のある家庭と繋がったという話や、地域に見え隠れする貧困に留まらない生活困窮家庭との接点、「子ども食堂」などに話題が及びました。「食」がきちんとしていることから、生活を支えることに繋がる。といった示唆には、多くの方が頷いていました。
中学校昼食の課題においては、中学生である期間はたった3年。子育て全般にも言えることですが、当事者が声を上げられない。忙しい日々の中で保護者が課題解決を求めていくのは非常に難しいという側面にも気付かされました。更にはハマ弁を頼まない家庭にこそ問題を抱えているケースが多く、顕在化しないところにこそ課題が潜んでいるという難しさも指摘がありました。
今回試食をした「にんじん」のお弁当は、非常に美味しく、そして、徹底した手作りと、食材の安心へのこだわりにも感銘を受けました。こうした努力をつづける「業者弁当」がありながら、大きな公費を投入して始まった「ハマ弁」。「ハマ弁」がその導入意義を見出せる制度となるには、もう少し改善が必要だと感じました。
今後も課題を多くの方と共有しつつ、横浜市へ働きかけていきます。