現年度議案質疑 その2 〜就学援助制度について〜

170114_2補正予算の、就学奨励費の増額は、就学援助制度の認定者数が、見込みを上まったことによる増額です。
(議案はこちら

就学援助の種類と範囲

就学援助の種類と範囲 (クリックで拡大します)


横浜市の子供の人数は少しづつ減っている状況にはありますが、就学援助の認定率はここ5年間で14〜15%の間を推移しています。認定者数の比率が減っているわけではありません。
子どもの貧困が叫ばれ、横浜市も対策に着手する中で、就学援助制度は、直接に子どもの教育の機会を支援する大切な制度です。子どもたちがどんな環境に置かれていようとも、等しく教育の機会を与えることは、法のもとに定められた社会の義務です。
本当に必要な子どもたちのもとへ、この支援が行きわたっているのかというところに着目すると、この制度の存在すら知らない人がまだまだいることにも気づかされます。小学校や中学校の入学時、進級時に制度の書類が配られますが、非常に細かく、内容を理解するのは難しいものです。また、一番児童生徒の近くにいて、支援が必要な子ども達を間近に見ている教員に向けては、制度を理解してもらう説明会などは行われておりません。まずは知ってもらう。そして、使ってもらう。その体制強化が必要だと思います。より一層の周知に努めるべきだと考えます。
横浜市は、就学援助制度の認定基準額を例えば子ども2人の4人家族であれば世帯の総所得を344万円と定めています。この金額は、2014年に、生活保護の基準と共に、景気が上向きである。という理由で引き下げられたままこの3年間据え置かれています。今回の補正予算には、物価の高騰による学校給食物資購入費の増額の補正もありました。物価の高騰は、横浜市教育委員会も認識をしているところで、家庭の生活が楽になったわけではないのです。
援助の内容を見てみますと、日常の学用品、入学の際の学用品費、学校給食費、クラブ活動費など様々メニューがあります。例えば、クラブ活動費は、年に中学1年生では29600円、2年生で19740円、3年生で9870円を上限として支給されます。部活動を経験した人ならば、これが十分な額ではないことに気づくでしょう。子ども達が、やりたい部活動を我慢している。そういう現状が垣間見えます。
就学援助の基準を今一度見直し、また援助内容の充実が図られるべきです。
就学援助の種類と費用

就学援助の種類と費用


また、他の自治体の状況を見てみると、就学援助基準額から内容まで非常に大きな差やばらつきがあります。法のもとに等しく教育の機会を与えられているはずの子ども達が、住んでいる自治体によって、援助の内容に大きな差があるというのは、問題です。
本来であれば、国が平等に援助の手を差し伸べるべきものだと思います。
横浜市として、その点をはっきりと国に対し要望すべきとの意見を述べて、教育長の考えを問いました。
教育長からは、国に対して、教育予算を様々な機会を通じて増額要望していく。と教育予算全体の要望という回答でしたが、就学援助制度の充実は、子ども達の未来をつなぐ制度として充実してゆくことを今後も働きかけていきたいと思います。
神奈川ネット情報誌 377号でも特集しています。