横浜市のエネルギー政策〜パワーシフトを提案
27日、予算関連質疑の中で、横浜市のエネルギー政策を取り上げました。
2016年11月発効されたパリ協定では、全世界が今世紀の後半には、温室効果ガス排出を実質ゼロにすることを目標に掲げており、横浜市も未来のために、この大きな目標に取り組む必要があります。
昨年は、「横浜市気候変動適応方針」が策定され、温暖化等によって引き起こされる気候変動に対峙してゆく横浜の方針が定められました。2018年度は、「横浜市地球温暖化対策実行計画」の策定に向かう重要な年度です。
横浜もめざすべき脱炭素化には、徹底した省エネルギーを前提に再生可能エネルギーの導入を大幅に増やしてゆく対策が必要ですが、この横浜では、新たな発電施設等の大量整備が一足飛びに進むものではありません。その方策を模索しつつ、横浜の特性を生かした取り組みを検討する必要があります。
そこで、これこそ、市民・事業者が自然エネルギーを選択する「パワーシフト」が有効だと神奈川ネットのアンケート結果を交えながら提案をしました。
横浜市は、再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、どのように取り組んでゆくのかという質問に対し、市長からは「大規模な公共施設や、住宅、オフィスなどの都市資源を活用した取り組みをより一層進める。また、100%再エネルギーでの事業運営を目指す企業と連携し、再生可能エネルギー選択の輪を広げ、導入拡大につなげます。」と答弁。「選択の輪を広げる」と発言があったものの企業が主体の姿勢も伺えます。
これに先立つ20日の「温暖化対策・環境創造・資源循環委員会」において、今後の温暖化対策に関する質疑の中で、温暖化対策本部長は、私の質問に対し、低炭素電力の「選択」の力の重要性に言及し「市民が選択する「パワーシフト」をしてゆくことも重要。また、再エネを使用すると宣言をしている企業に対し、供給サイドにエネルギーを用意していく後押しをする動きを作りたい。」
という主旨の答弁がありました。こうした議会の場において、「パワーシフト」という言葉が使われたことに、驚きと手応えを感じました。
また、市役所の電力に関しても、グリーンな電力を選択する。その一歩として、可能性を探る取り組みを進めることを確認しました。
(委員会の録画はこちらから。1:36:00頃から本部長と私の質疑です。)
予算関連質疑に話しは戻ります。
横浜市が持つ再生可能エネルギーは、現在施設での使用のほか、FITにより売電されています。経済的効果は生んでいますが、将来的には、小中学校や様々な市の施設に設置された太陽光、ハマウィング含めた市が持つ再生可能エネルギーをとりまとめた仕組みなど、まずは地域で生まれた電気を地域で使う、電力の地産地消の観点を取り入れた可能性を検討を提案しました。ある程度とりまとめた電力は、その活用の可能性も広がります。
市長の答弁は「今後的確に情勢を捉え、地域で効率的に利用するほか、企業の誘致に戦略的に生かすなど効果的な活用策を検討する」というものでした。
さらに、エネルギーと連動したまちづくりについて。
新たな開発市街地では、先進的な技術での取り組みで循環型のまちづくりを行っている事例が横浜でも生まれています。さらに既存の街においても、地域の特性に沿った形で、エネルギーに着目したまちづくりを進めていく必要があり、こうした視点が、地域の活性化にも寄与し、新しい創造を生み出す取り組みにもつながると考えます。
そして、温暖化対策においては、未来にむけて、横浜市の存続をかけ、今、私たちが取るべき対策が、問われています。それには、市民とともに省エネ再エネ拡大に向けて、パラダイムシフトを起こしていくことが必要です。横浜市がスケールメリットを生かし、これを先導して市民と共に取り組んでゆくべき。と提案をしました。
市長からは、パリ協定目標達成には、ライフスタイルの変革や社会のイノベーションが必要。
温室効果ガス排出ゼロを目指すゴールとして共有し、市民、企業、多様なパートナーとの連携を一層強化し、脱炭素化の取り組みを加速してゆく。との答弁がありました。
行政とも課題を共有し、エネルギーの未来に生かす取り組みを今後も働きかけていきます。
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