市民政治と議会改革 〜全国市民政治ネットワーク交流集会〜

7月21日、22日の2日間、全国市民政治ネットワーク交流集会2018が開催されました。
「今こそ、市民政治を拡げよう」と題し、改めて、2日間に渡って、講演と全国で市民政治に向き合う様々な取り組みの報告が共有されました。
1日目の講演会では、NPO法人ほっとプラス代表理事 藤田孝典さんから「貧困社会を終わらせるために政治と社会運動の連帯の時代」と題し、日本の貧困社会の現状を。慶應義塾大学経済学部 井手栄策教授からは「頼りあえる社会へ~自由と可能性をすべての人に~」と題し、社会保障と税の在り方、日本が取るべき方策が示されました。
2日目は、5つの分科会に分かれ「議会改革」「組織拡大・市民参加」「調査活動」それぞれのテーマで報告・意見交換と2つのフィールドワークが行われました。
私は「議会改革」の第3分科会で、「議員の年金制度にやっぱりNO!」議員年金アクションチームの活動を報告しました。
パワーポイントにこれまでの活動をまとめ、様々なアクションを目まぐるしく展開した濃い2年間を振り返りました。
国会が閉会し、今回は、議員の年金に関わる法案提出を止めることができましたが、今後の動きに対しても、アクションを続けていくことも確認しました。
議員年金に関しては、議員を職業とせず、代わりあう政治を続けてきた全国の市民ネットワークだからこそ、特権的な制度に「NO!」といち早く声を挙げることができたと思っています。一口に地方議会と言っても、状況は実に様々です。意見交換からは、そうした各地の状況も伺うことができました。
質疑応答において、議員年金の必要性として挙げられたなり手不足、議員を辞めた後の保障の問題は、議員の働き方や、ローテーション後の仕事といった、市民ネットワークにおいても課題ではないか?という提起がありました。
そもそも、この議員の年金制度の問題は、議員だけに年金を整備する特権的な制度であるということ。議員も国民年金に加入しており、厚生年金に加入できない多くの人同様、本来の課題は、生活の支えにならない年金制度にあるということが前提にあります。なり手不足の問題などは、本来議員の年金制度の問題ではありません。
その上で、私たちが、代理人として議会に仲間を送り、代わりあう政治を行う上でも、新しい担い手を生み出し、任期を終えた後の処遇を考えることは、これからの持続性において、必要な視点です。
私は、元々フリーのグラフィックデザイナーでしたが、議員になるに当たって、その仕事を辞めた訳ではありません。もちろん以前のように仕事をこなすことは出来ませんが、可能な限り続けています。そして、様々な市政課題の調査研究も多くの仲間とシェアすることで議員の情報と働きもシェアをすることを続けています。
様々な人が政治に参加してゆく土壌を作り、その実践をしていくことこそが、私たちの理想に近づく一歩になると考えます。
共に登壇した信州ネットの丸山さんは、議員を辞めた後、親の介護に奔走し、フルタイムの仕事には就くことも出来ず、介護・パートタイムの働き・地域活動と目まぐるしく過ごしています。しかし「それこそが『今』を表す標準的な女性の姿ではないか。」と投げかけました。
神奈川のメンバーは、地域で必要な事業を生み出し、働くことで現場の声を議会へ届けてきました。
佐々木由美子さんは、県議でありながら、石けん工場で働き、環境課題に向き合いながら、障害のある人と共に働き、トラックを運転する日々。
「私たちは、議会に向いて政治をするのではなく、市民に向いて政治をするのだ。」と言います。
特権的であることで、議員が、議員でなくなった時に、身分や報酬にに縛られるよりも、地域の代表として議会で一定期間働き、任期を終えれば地域に帰る。そのローテーションを続けて行く方が、働き方を考え、身近な課題に寄り添い、議会に声を届けていけるのではないかと考えます。私は自らの議席で実践をし、さらにこの椅子を増やすことが、市民政治における議会改革の道だ。と今回この意見交換から改めて意識する機会をいただきました。
市民政治を拡げる地域の実践を。
また今日から、一歩一歩すすめます。