拙速では?山下ふ頭再開発検討委員会設置条例

横浜市会ここに注目!
現在開会されている横浜市会第一回定例会では、現年度議案の中で、
「市第124号議案 横浜市山下ふ頭再開発検討委員会条例の制定」が提案されます。
これに先立ち、横浜市では、山下ふ頭の再開発に関し、昨年11月22日から今月末まで意見募集がされ、ワークショップ形式での意見交換会も行われました。

山下ふ頭をめぐる動き・・・
山下ふ頭の再開発に関しては、カジノ事業の撤退を山中市長が宣言した瞬間から、私たち市民は山下ふ頭の再開発は、ゼロ地点からの再検討のスタートに立ったと認識しています。
そんな中、2021年12月23日。突然の市民意見と事業提案の同時募集がされました。
市民意見と事業者提案を同時に募集することは、市民意見に何を求めているのかと疑問が生じます。また、事業提案には事業者の登録資格として、純資産10億円以上かつ設立後5年を経過、あるいは、過去10年間に、敷地面積1ヘクタールかつ延床面積3万平方メートル以上の複合開発に携わった実績を求めるといった厳しい要件が課されたことから、提案元を絞り込む結果になるのではないかとも受け取れる内容で、私が参加する「カジノを考える市民フォーラム」でも質問書を市長宛に提出した経緯があります。
また、事業の提案者は、名前の公表非公表を選ぶことが許されており、公平性の観点からも課題がありました。

山下ふ頭の再開発については、横浜港ハーバーリゾート協会に伺い、常務理事の水上裕之さん、平林さんに現状を伺い、意見交換。

今議案の課題
結果、横浜市としてもこうした意見を尊重し、横浜市は改めて2度目の意見募集行うに至ったと理解をしています。
今回の議案は、山下ふ頭の再開発に関して、検討委員会を設置するものですが、
委員会は、この議案が議決されたのち速やかに設置され、来年3月には答申が出される予定とのこと。現在実施されている市民意見募集、事業者提案募集では、多くの多様な意見が寄せられることが予想されますが、これをわずか1年足らずで検討し、計画にしていくというスケジュールは、あまりに早急と言わざるを得ません。
また、現在行われている意見募集のパンフレットでは、2026年に事業化、2030年頃供用開始としたスケジュールが提示されています。
このスケジュールの根拠は全くもって不明ですが、なぜ、時期だけが先に示されて検討委員会の議論を急がせるのか疑問です。

山下ふ頭の再開発には、2015年に「山下ふ頭開発基本計画」が策定されています。その上位計画には、山下ふ頭も含む「横浜市都市心臨海部再生マスタープラン」(2015年2月に策定)があり、カジノ・IR事業は、この中でイメージされていたものでした。このマスタープランが策定されてから7年。当初想定されなかった様々な事柄が横浜市を襲いました。カジノ誘致とその住民投票条例の直接請求運動。コロナウィルスの蔓延、そして市長選を経て、山下ふ頭の計画は大転換したのではなかったでしょうか?このプラン自体も大幅な軌道修正が必要とされており、本来ならば、こうした上位計画の見直しがまずは必要であると考えますが、それをせずに下位計画を作ろうとすれば矛盾が生じるのは当然です。

水上さんは、山下ふ頭は、展示場ニーズや物流のみならず、防災の拠点としての活用など高いポテンシャルがあると分析。再開発計画にあたっては、スケジュールを見直し、じっくり取り組むべきと強調されていました

計画は市民参加型で
市民の運動が大きな転換の契機となった山下ふ頭の再開発は、今後のモデルとなるよう、公開性、透明性を確保し、市民参加のプロセスを築くことが大切です。
この供用開始を2030年としたスケジュールを白紙にし、市民参加でじっくりと取り組むべきです。
この件、2月7日平田議員が議会で質疑に立ち、市長に質します。ご注目ください!