脱炭素に向けた県庁の率先行動・・・県施設の断熱化は?
県庁の率先行動とは?
神奈川県は、2050年脱炭素社会実現、2030年温室効果ガス50%削減という中期目標を掲げています。
2024年度の予算の中で、それを牽引する県庁の率先行動として挙げられているのが、
1、県有施設の照明のLED化 約63億
2、県有施設太陽光発電等導入 約28億
3、県有施設の再生可能エネルギー電力の利用 (2030年までに100%)
4、公用車の電動車化 約5億(2028年までに全車)
の4項目です。
照明のLED化は、水銀の使用規制に伴い、2027年の廃止に向けて、急ぎLED化が進められることになったわけで、まだだったのか・・・という感じ。
太陽光発電導入は、県全体の現状は、2021年度実績で102.7万kW(再生可能エネルギー全体で170.4万kW)2030年目標の200万kWまでまだ半分。
目標達成に向けて当然率先して導入すべき県庁は、「原則として、県が保有する建築物及び駐車場に設置可能な最大限の太陽光発
電の導入を進め、2030年度までに設置可能な建築物等の50%、2040年度までに100%に導入することを目指す。」との方針を、今年3月に『県有施設への太陽光発電導入ロードマップ県有施設への太陽光発電導入ロードマップ』を作成し、示しています。しかし、現状は、設置可能な1173件の建物に対し168件。と14.3%。道のりはまだ遠い。
省エネのポテンシャル
脱炭素に向けては、省エネもまた発電と同じポテンシャルを持っています。県では、家庭部門においては、省エネルギーを意識した暮らしを啓発するとともに省エネルギー改修の補助制度等で、断熱を始めとする住宅の省エネルギー化を促しています。一方、率先実行の認識があるにもかかわらず、県有建築物の省エネ化は遅れていると言わざるをえません。建築物の省エネルギー対策の中でも「断熱」は、住宅に限らず、長時間多くの人が過ごす建物において大きな効果を生みます。また、学校では、教育環境の整備の面からも断熱の必要性が求められています。さらに、災害時には避難場所ともなる学校施設の環境については、能登半島地震でも課題提起されたところです。
学校の断熱を、改修工事に合わせて行うべきと、委員会でも提案していますが、のれんに腕押しのような答弁でした。改めて、文書質問で、建築物の改修のタイミング等を捉えて断熱等省エネルギー化を促進すべきと提案しました。