県外調査1 ー京都試作ネット

私が今年度所属する産業労働常任委員会では、8月20から22日の2泊3日で、京都府及び三重県へ、県外調査を実施しました。

京都試作ネット

京都駅に到着し、まず向かったのは、「一般社団法人 京都試作ネット

「試作」と聞いてもピンと来ないかもしれません。商品の試作品などを指しています。
京都試作ネットは、2001年に金属加工業10社が連携し、大量生産の工場が海外にシフトしていく中で、「ものづくり」=研究開発・試作に特化したソリューションネットワークを立ち上げました。現在は、京都のものづくり企業37社が集い、「京都を試作の一大集積地にする」というビジョンを掲げて大きく成長しています。

ものづくりの図面、商品構想、デザイン、設計から、さらには社会課題解決型の事業構想へと「試作」の可能性がこんなにも広がっていることに驚かされました。
例えば、コロナ禍に開発され、実用化された「買い物かごの自動除菌装置 除菌ザウルス」や「簡易診察室ドーム メディカプセル」といったものから、ウガンダで水不足を解決するために、現地の人の手でメンテナンス可能な「井戸管理システム SUNDA」の開発。といった幅広い事業へと活かされていました。

クロスエフェクトの精密臓器シミュレーター

試作ネットの参画企業のひとつ、株式会社クロスエフェクトの具体的な取り組みも拝見しました。

ここで試作されているのは、なんと3Dプリンターを用いた人の臓器。
CT画像等から精密な臓器を約1週間で精密かつリアルに作成することができ、手術前のシミュレーターや教材として活かされています。小さな小児疾患の心臓にも対応することができることから、これまで助けられなかった命を救えるようになったすごい取り組み。医療は「本番に備えて練習を常態化していない」最後に残された業界とされ、そこにようやくメスが入った画期的な技術と言えそうです。国内外から注目されており、2023年7月薬事承認 2024年秋保険適応(予定)とのことです。

実際に作成された臓器を拝見しました。(残念ながら企業秘密のため撮影はNG)ホームページからご覧ください。→ https://www.xcardio.com
質感まで実にリアルで、触れるのに躊躇するほど。実際の手術とシュミレーションを比較した映像も拝見し、寸分違わぬ出来栄えだということがわかりました。

こうした「ものづくり」の可能性に、これまでの「ものづくり」に対する正直古いイメージ(ごめんなさい)が払拭され、率直に感動。ものづくり産業への新たな担い手創出も期待できる取組として、今後さらに京都のみならず広がっていくことと思います。神奈川でもスタートアップとものづくりの可能性など、今後進んでいくことに期待し、この先進的取り組みを参考にしたいと思います。

京都駅からの眺め。駅だけでも観光が楽しめる。さすが京都!