外国につながりのある子どもへの支援
外国人労働者の増加
神奈川県の外国人人口は26万人(横浜市は12万人)と近年急増しています。
背景の一つに、労働力不足を外国人で補うため「特定技能制度」が2019年新設されたことが挙げられます。5年の期限付きの受け入れ枠(1号)と、在留資格を無期限で延長でき、家族を呼び寄せることができる受け入れ枠(2号)があります。今年2024年からは、さらに1号の受け入れ人数を大幅に拡大し、分野も新たに追加するなど国策として進められています。労働力として受け入れ、神奈川県で共に働くということは、そのくらしそのものを受け入れること、つまり、自治体には様々な相談業務や環境整備という役割が求められます。
そこで、今期の産業労働常任委員会では、新たに産業労働局で実施する日本語教室について、外国人労働相談やワーカーズコンシェルジュといった相談事業について等を質問しました。
今後は、外国人県民の増加で、より一層の市町村、部局横断した連携体制が必要になります。入口が労働であることを考えると、神奈川県産業労働局の役割は非常に大きく、どこかが担うべきハブ機能を、国際課等と連携して担っていくことを提案しました。
外国につながりのある子どもたちの増加
外国人労働者が増えると同時に、外国につながりのある子どもたちの人数も増加しています。
全国で、日本語指導が必要な児童・生徒数は2023年度、69123人。文科省の調査によるとそのうち神奈川県内在住は、6182人。愛知県(11924人)に次いで2番目に多い。今後も増加が見込まれることから、対策は急務です。
例えば、2022年に行われた、かながわ国際交流財団の調査報告(綾瀬市との連携事業「外国人
住民の未就学児が保育園・幼稚園に入るための仕組みづくり」)によると、綾瀬市の外国につながりのある子どもたちの未就園率は41%で、日本人の8倍にのぼるとの結果が出ています。
また、高校の中退率においては、公立高校全体で0.9%に対し、日本語指導が必要な生徒は3.8%と高く。また卒業後の進路については、全体の生徒に対し、進学率が低い。という調査結果が出ています。
中途退学の理由はさまざまですが、日常の言葉に不便がなくても授業となると問題が出てくるといったケース、中学校まであった国際教室のような支援が途切れてしまう。親へのサポートが途切れるなどの課題があると、横浜市国際交流協会(YOKE)での聞き取りからも見えてきます。言葉の問題のケースでは、母語も日本語も十分に発達していないダブルリミテッドの問題が指摘されていますが、アイデンティティの形成においても影響を及ぼす大きな課題だと考えます。
議会の合間に、最も外国人につながりのある子供の人数がダントツに多い愛知県にも視察に出かけました。
神奈川も、愛知も実際の支援の多くがNPOや、ボランティア団体が担っており、事業の継続や、ノウハウの継承に課題が指摘されています。
今定例会では、文書質問で、外国につながりのあるこどもたちへの支援について質問しています。
こどもたちの人権の観点、そして労働力不足の観点からも、早急な対応が必要だと感じ、この課題に引き続き取り組んでいきます。