オンラインカジノ 〜2024年度の決算審議から〜

決算特別委員会質疑5日目は、警察費と教育費の審議でした。両局同時に質問するチャンス!ということで、「オンラインカジノ」と「ギャンブル依存症」問題を取り上げました。
私がしつこく取り上げているテーマで、これまでも、文書質問、文教常任委員会、一般質問と取り上げてきました。

中学生が常習賭博!?
先日の新聞報道では、神奈川県に住む中学生を警視庁が常習賭博で通告したというショッキングなニュースがありました。記事ではさらに別の中高生8人を含む14~21歳の計14人が常習賭博や単純賭博容疑で書類送検された。というものでした。
全国でのオンライン賭博の検挙件数は、昨年から前年比7倍と急増しています。

 2022年 1人
 2023年 32人
 2024年  279人

県内では、2024年2人だったのが、
今年は9月までで既に20人。
そのうち未成年は、3人とのこと。
(*先の報道事案は、県内在住者ですが、警視庁管轄であり、この数字に含まれません)

どうやって発覚するのか?

不正アクセス等ネットがらみの事件の捜査でスマホを押収するなどして、余罪によって立件する場合、または、本人や家族からの申告。なのだそう。本人や家族からの申告を除けば、純粋にオンラインギャンブルの賭博罪が明らかになる例は稀であることがわかります。でありながらこれだけ検挙数が急増しており、特に若い世代にまで広がっていることは、表に出て来ない被害が蔓延していることが想像できます。
だからこそ、教育分野での啓発は重要です。

県立高校ではどう学ぶの?

県立高校では、これまでも「保健」の授業の中で薬物やアルコールと共に「依存症」のくくりの中でギャンブル依存症を取り上げてきてはいますが、どんなテキストを使っているのか質問しました。
文科省が作成した指導参考資料を活用している。とのこと。これ、2019年作成とあります。
2021年に「神奈川県のギャンブル等依存症計画」も改定されており、今年は「ギャンブル等依存症対策基本法」の法改正もあったところです。古くないですか?
中身にはギャンブル等とは、「公営競技とぱちんこ」とあり、オンラインの文字はありません。
生徒に対しては、やはり古い資料で「行動嗜癖(こうどうしへき)を知っていますか?」というリーフレットを使用していると。
一斉に「知りません」と答えが返ってきそう・・・言葉が難しくて、高校生には響くとは思えません。

他都市では、民間団体と連携しながら啓発を行っている事例やSNSでの啓発を教育委員会が行っている例もあります。依存症になってしまっては、それを隠す傾向が非常に強くなることから、発見は難しくなります。依存症になる前の啓発、オンラインの賭博が違法であることをきちんと伝えていくための教育の役割は非常に大きいことを繰り返し伝えました。

神奈川県教育委員会の対策

啓発を急がないと被害は増える一方だと焦りますが、教育委員会の今後の対策は、
これから神奈川県が作成するポスターを掲示します。
とのこと。それならば、全校に配布して、生徒の見えるところにきちんと掲示するように(黒板とか!)意見をしました。
ちなみにポスターは現在準備中。来年1月頃完成予定とのことです。

全国ギャンブル依存症家族の会神奈川の皆さんが傍聴にかけつけてくれました。心強い!