現年度議案質疑 その3 〜横浜文化体育館〜

17日 「市民・文化観光・消防常任委員会」の様子

17日 「市民・文化観光・消防常任委員会」の様子


【横浜文化体育館の整備及び施設維持管理等の実施に係る予算外義務負担】
横浜文化体育館は、現在の施設の老朽化から、メインアリーナを建設また武道館であるサブアリーナを旧横浜総合高校跡地に整備する計画です。当初の整備維持管理費の債務負担行為の限度額を280億円だったものを、昨年11月、入札が不調となったため、40億円増やして320億円とする。という補正予算案です。
しかし、入札の不調を受けてからこの間、一体どのような検討がなされてきたのかが見えてこないことに私は、疑問を持ちました。
この横浜文化体育館の整備事業は、長い時間をかけて、計画をし、そしてそこに予算を充当してそして、議決された事業なはずです。入札が不調となり、見直しが必要となった際には、当然計画から見直してゆくのが本来の筋だと思います。検討の議論が全く知らされないまま、出口の予算だけ増額しましょう。というは、理解できません。
計画見直しの検討をどのようにおこなってきたのか、その上で、計画変更をせずに、増額となった根拠を市長に質問しました。
私たちは、通常、例えば家を建てる際や、大きな買い物をする時、予算内で希望のものが手に入りそうにない。となれば、仕様を考え直したり、材質を変更したり、微に入り細に入り、計画を見直すということをします。
いきなり予算を引き上げるというやり方は、市民感覚では、到底理解できません。
現在の計画であるメインアリーナと武道館とするサブアリーナ。この計画にも、スペックを見直すなど予算を削れる部分があるはずです。
計画に対して、審議をされ、議決までされた案件が、途中で不調となったので、予算を増額する。という今回のような事案が、まかり通るのならば、そもそもの計画のあり方を根底から揺るがすことになるのではないかと危惧します。
また、数ヶ月後に入札が不調になり、さらなる債務負担を強いられる事態になる可能性さえも、否定できません。
「市民の声」に寄せられた公共施設の要望の多いものは、障害者施設、公園、ついで保育園です。体育館の整備が必要ない。といっている訳ではなく、現在の計画に40億円の増額をするのであれば、もっと必要とされる施設に回すべきです。本来必要のなかったこの補正予算のために、必要な施設の整備や制度の充実が後回しになっていく可能性を考えると、やるせない思いがします。
市長は、この計画をスケジュールありきで進めてきていることを暗に認めています。なぜ、計画をきちんと見直さずにこのような乱暴な補正予算を行うのか、その疑問には答えていません。
税金の使途の優先順位に対する市の姿勢が見える象徴的な議案であると思います。
17日の「市民・文化観光・消防」常任委員会(市民局関係)においても同議案が審議されました。
市民局長は、私の質問に対し、入札不調後の検討を、事業計画にそって、事業費とスケジュールを見直した。と回答。やはり計画は全く見直されなかったということになります。今後同様の事案が起こらないとも限らない、その不安は決して払拭できない。と強く訴え、議案に反対を表明しました。
議案質疑の録画はこちらから視聴できます。