特別養護老人ホームは、ニーズに沿った整備を
現年度一般議案の中で、「第7期横浜市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定」が提案されました。
介護保険制度に関しては、介護の社会化を目指し、これからの高齢化の進展に向けて必要性はますます高まっています。
今後の期待も含め、議案には賛成をしましたが、23日の本会議において、討論を行い、計画の課題を指摘しました。
私が指摘をしたのは、以下の3点です。
・計画策定にあたっての説明会、パブリックコメントの丁寧な実施と計画への反映
・「横浜地域包括ケア計画」とした地域性を打ち出す対策の必要性
・特別養護老人ホームの整備のあり方
特別養護老人ホームの整備については、計画の目玉として年間整備数を600床に倍増するとされています。
特別養護老人ホームの入所待機者は、現在約4200人。数多く存在しているにもかかわらず、実は空床も生じています。中には、人材不足から、居室を閉鎖せざるを得ないケースもあると聞きます。整備にあたって、人材の取り合いになってしまっては、意味がありません。
現在、横浜市では特別養護老人ホームを整備する際に「横浜市特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例」に基づきユニット型(個室)に限定した整備を行っており、今後の整備はすべてユニット型になります。ユニット型は豪華で、プライバシーが守られる空間が確保されるといった利点があります。一方多床室には、ユニット型よりも入所者が他者と関わる機会が得られることや、ケアする側の負担の軽減などのメリットがあり、なにより利用料が安価なことから、依然ニーズが高いのが現状です。特別養護老人ホームに入居を希望していても、費用の面から、申し込みを躊躇している潜在的待機者の人たちも少なからず、存在していることが考えられ、選択の幅が確保される整備をすることが望ましいと考えます。
市民税非課税世帯に対しては利用料に対して補助がされるため、ユニット型でも利用者の負担は変わらない。というのが、市の説明でした。しかし、従来型とユニット型での差額は月額3万円以上、これを埋める補助の原資は介護保険です。従来型の多床室が選択できる環境である方が、介護保険の支出も抑えられます。
また、整備費用を考えれば、同じ予算であれば、ユニット型よりも多床室の方が当然合理的です。
今後は、条例の改正も視野に入れ、特別養護老人ホームの整備方針を再検討すべきと考えます。
今回は、こうした課題を指摘し、今後もよりニーズに沿った計画へと発展してゆくように働きかけを続けます。
討論の模様は、こちらからご覧ください。