居住支援の可能性
生活クラブ神奈川では、旭センターを活用した「ホームタウンみなみ」の開所から1年。女性の住まいや、食を支える取り組みを行ってきました。そして今年4月には神奈川県より居住支援法人の指定を受け、また今月新たな拠点を矢向センターにオープンします。
本日7月3日、『居住支援スタートフォーラム』が開催され、認定NPO法人抱樸 奥田知志さんの講演会が実施されました。
奥田さんのお話は、何度聞いても心に響くんですが、満席の会場が一斉に頷くのが、さざ波のようで、多くの人が引き込まれているのを感じました。
高齢化、単身化が進む社会では、住居とこれまで家族が担ってきた見守りや生活の機能を一緒に支えていく必要があります。一言に居住支援と言っても、その支援は、住まいを手当することに留まらない「人生の目的を共に考えていくこと」が居住支援(伴奏型支援)なんだと奥田さんは仰います。
介護保険であれ、障害者支援制度であれ、制度は、家族がいることを前提として設計になっているため、家族がいない状況では機能しない、このままでは崩壊する。その寸前に立っているのが私たちの社会の現在地です。
能登の震災に際し、奥田さんが真っ先に支援に入った際、食べることもお風呂に入ることもままならない中、避難所で娘の誕生日祝いのケーキを所望されたお父さんのお話が心に残っています。
欲求をピラミッド型の5段階に分け、下から順番に満たしていくマズローの欲求5段階説に沿って、支援も段階を踏むという定説はあるけれど、人の欲求は必ずしも段階を踏むものではない。生理的欲求を超えても祝いたい瞬間があるように「その人がその人として生きていくことを考える。」ことがその時々で必要とされる。というお話でした。
FEC+W自給圏ネットワークの構築を提唱してきた生活クラブ(F=food食、 E=energy エネルギー、C=careケア、W=work働く)が、行う居住支援。住居はくらしの礎『住居+関係性=居住(HOME)』と位置づけて取り組むと篠崎理事長。大いに期待しつつ私も組合員の一人として、共に。