こども青少年・教育委員会 〜3日目 佐賀〜
最終日は、佐賀県へ移動。
困難を抱える若者等に対する支援を行なっている『特定非営利活動法人 NPOスチューデント・サポート・フェイス』を訪れました。
スチューデント・サポート・フェイスで
は、不登校、ひきこもり、非行等不適応問題を抱える子ども達やニート、フリーター等若年者の自立支援に取り組む団体で、アウトリーチ(訪問支援)を中心に様々な活動を行なっています。
道路状況などで、予定より到着が遅れてしまい、駆け足での視察となってしまったことが、非常に残念でした。そんな中、代表の谷口さんのお話は、非常に端的で分かりやすく、素晴らしいプレゼンでした。
アウトリーチ型の支援は、その効果は大きいが、効率の面で非常に手がかかる為に難しい面があることは否めません。しかし、谷口さんによると、スチューデント・サポート・フェイスに繋がれてくる子ども達は、既にいくつもの支援の経験を持っていて、そこで挫折している場合が非常に多く、それまでの支援は、失敗している。むしろそこで無駄にした支援を思えば、ノウハウをもとにアウトリーチを行なっていくことの方が結果的に近道だと言います。
支援を必要とする子ども達は、63.4%が家族にも支援が必要な状況にあり、84%が多重で困難を抱えており、表面的に困難の原因を捉えてしまうと本質が見えづらく、アウトリーチを用いてしっかりと困難のひとつひとつを見極め、複数の問題に対してアプローチできる多面的な支援が必要となります。スチューデント・サポート・フェイスの相談件数は、開設した2003年からの11年間で55582件にものぼり、2014年度は8633件、佐賀県全体では10305件。横浜市に次いで全国で2位ですが、人口が84万の佐賀県と370万の横浜市、その数の多さは際立っていることがわかります。
実例を伺うと、場合によっては、対象者の近所で車中で泊まり込むなど、壮絶で緊迫した場面もあり、到底真似できないように思えます。が、成果には、目を見張るものがあり、アウトリーチの重要性はもはや常識といっても過言ではないでしょう。
こういった取り組みをいかにして横浜市の施作の中に取り込むのか、今こそ真剣に考える必要があると思いました。