2015年度決算局別審査「こども青少年局」
10月4日の決算特別委員会のこども青少年局局別審査で、質問に立ちました。
2015年3月に策定された「子どもの貧困対策」と「虐待対策について」を柱に質問をしました。
子どもの貧困対策は、私も常任委員会、特別委員会とその策定経過を追う中で、そのプロセスが重要だったと思っています。改めて、その意義を確認しながら、施作についても質問しました。
質問の様子は録画でご覧いただけます。→こちら
◆寄り添い型生活支援
生活支援は、学習支援と共に具体的に子どもにリーチできる重要な施作のひとつであると思います。学習の場。という限られた時間の学習支援に比べ、歯の磨き方から、体を清潔に保つ習慣といったことにまで触れる生活支援は、場所の確保も運営のあり方も格段に難しいという現実もあります。しかし、居場所として機能を備え、学習に至る以前の生活の基本的なケアを困難を抱えたこどもたちに提供できる生活支援は、非常に重要だと考えます。必要な場所に優先順位をあげて取り組むべきと提案をしました。
◆放課後支援
小学生の放課後を支えることもまた貧困対策の一つですが、横浜市の放課後は、現在主に「放課後キッズクラブ」と「放課後児童クラブ」いわゆる学童保育所、それから「はまっこ」があり、放課後キッズクラブの全校での実施にむけ、整備を進めている状況です。
キッズの利用料金は、月額5000円。放課後児童クラブは平均17000円です。
利用料に大きな差がありますが、非課税世帯への減免は、2500円と一律です。そうすると現状は、経済的困窮世帯においては、どちらかを選択することはできません。キッズ未整備地域や、学校が自宅や駅から遠方にある場合、保護者の帰宅時間などの状況によっては、学童でないと対応できないこともあります。結果、「通わせない」という選択をする家庭も出てきてしまう。減免制度の拡充を、改めて求めました。
◆障害児の放課後と相談支援事業
障害児の放課後の預かりには、放課後等デイサービスがありますが、こちらは、横浜市が障害児の居場所事業として先駆的に取り組んだ施作の一つだと思います。2015年は非常に大きな伸びがあり、164箇所がとここ3年で10倍に増えました。適切なサービスを受ける為には、しっかりとした利用計画が先になければなりませんが、その作成を担う相談支援事業者の箇所数は、53箇所そのうち、学齢期の相談事業所はわずか15箇所です。通所支援を受けている障害児は6000人を超え、急増したサービスにコーディネートが追いついていない状況が伺えます。早急な計画相談支援事業所の拡充が、求められていると考えます。局長からは、学齢期の相談支援は、学校等と連携をして、卒業後まで長期的視野で利用計画を組み立てる必要があり、高度なスキルが求められる。通所支援が急増する中では、質の確保に留意していく必要があると考え、健康福祉局と連携しながら事業を推進していく。と答弁がありました。
質の確保を求めるならば、早急な事業の拡充策を進めるべきと提案しました。
◆虐待対策
2015年度の相談対応件数は、5470件と過去最高となり、虐待件数2264件。過去の事例に学び、様々な対策が行われていますが、2015年度も3件の虐待死が起きてしまいました。
有効な手立てを模索する中で、やはり重要なのは、未然防止、入り口の対策ではないでしょうか?そういった意味では、利用理由を問わない一時預かりは、より多くの人につながる可能性が高い施作として期待出来ると考えます。
一時預かりには、保育所の一時保育と乳幼児一時預かり事業があります。箇所数は、認可保育所の一時保育は500箇所を超えますが、利用者数は、19箇所の乳幼児一時預かりが1/3を担っています。しかし、経済的困窮世帯への減免は、保育所の一時保育にはありますが、乳幼児一時預かり事業には行われていない。という差があります。経済的困窮と、虐待には一定の相関関係が認められている中で、こういう壁があるのは問題です。より広く利用できるように減免を拡充すべきと訴えました。
乳幼児一時預かり事業の展開はもちろん、認可保育所での一時保育をもっと広げ、利用しやすい体制作りが必要だと思います。
また、受け入れ月齢も乳幼児一時預かり事業は57日から、認可の一時保育は、まちまちで多くは6ヶ月からという実態です。生後2ヶ月という時期は、母親にとって一番辛い時期でもある。近くに頼る人が居ないお母さんに対して「辛い時には、いつでもきていいよ。」というメッセージを、市が発信できるように施策を拡充していってほしいと求めました。