市民・文化観光・消防委員会行政視察報告 その1<佐賀・福岡>
市民・文化観光・消防委員会の行政視察のご報告です。
2泊3日で3県を巡る移動の多い行程でした。
◆1日目
まず初日は、飛行機で佐賀県へ。
佐賀県庁にて、佐賀県の広報戦略について、お話を伺いました。一生行かないと思う都道府県ランキングで、不名誉な1位を獲得してしまった佐賀県ではありますが、情報発信による地方創生プロジェクト「サガプライズ!」を2年ほど前から始動し、様々な話題性溢れる取り組みを行っています。サイトもとても素敵です。
佐賀県の魅力ある地域資産を、全国の企業・ブランドとコラボレーションという形で、磨き上げ、商品開発やイベントで全国へアピール。全国のメディアに取り上げられることで、佐賀県のファン獲得を目指しています。
コラボ企画は、誰でも知っている森永製菓、任天堂といった企業やゲームや映画といったコアなファン層を持つ企画まで多岐にわたり、その手法も様々です。ゲームの世界に佐賀県を取り入れたり(ロマンシング サガ)、佐賀の干潟を都内に持ち込み、実際に浸かることができる期間限定のバーを開店(GATA-BAR)など、話題を呼ぶ企画がたくさん生み出されています。
また、県内企業をうまく巻き込むことで、2015年度は、県内60社、20億の事業効果を上げたそうです。
実現には、事業によって、スキームを変え、広告戦略に乗せるためには、スピードが求められるため、苦労も推察されます。行政のやり方とは180度異なるような手法を可能にしたこの広報戦略にかける担当者の熱意を感じました。
また、佐賀県公式プロモーションDVD「THREE MINUTE TRIP TO SAGA」は、国内外で活躍する佐賀県出身のトップクリエイターによる映像プロモーション。短時間に魅力がつまった映像が与えるインパクトは、上海、ソウルといったアジアの都市を片道1,5時間圏内に捉える佐賀県のPRに大きく貢献しているとのことでした。
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博多に移動し、1日目は終了しました。
◆2日目午前
福岡市役所北別館にて、「福岡地域戦略推進協議会のMICE戦略について」福岡地域戦略推進協議会事務局長のお話を伺いました。
福岡都市圏は、グローバルな視点でみると1000k圏内に、ソウル、上海、台北を捉え、域内人口は東京よりも多いことになります。福岡地域戦略推進協議会は、福岡市周辺の9市8町を福岡都市圏として広域な行政圏と捉え、産学官民一体で国際競争力の強化を目指し、2011年に設立されました。
福岡地域戦略推進協議会の説明には、「福岡都市圏の成長戦略を策定から推進まで一貫して行うシンク&ドゥタンク」とあります。「Think Tank(頭脳集団)」ではなく「Think & Do Tank(実践集団)」というわけです。
MICE(*)を地域の経済成長のソフトインフラと位置付けて、地域戦略推進のためにMICEを軸としてテーマごと「観光」「食」「スマートシティ」「人材」「都市再生」の5つの部会を展開しています。
観光や食など、九州の文化の利点を生かし、他テーマとの相乗効果を生みながら、様々な効果を生み出しているとのこと。
施設の不足の懸念は、福岡だけでなく、九州、さらには日本を舞台として発展を目指している。という視点は大切だと感じました。また、まだまだ課題と言うお話もありましたが、産学官連携に留まらず、「民」へのアプローチを忘れない姿勢には、共感しました。
*MICEとは・・・Meeting(会議・研修・セミナー)、Incentive tour(報奨・招待旅行)、ConventionまたはConference(大会・学会・国際会議)、Exhibition(展示会)の頭文字のことであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称です。