現年度議案質疑 〜保育士処遇改善について〜
2月14日、第一回定例会本会議にて、現年度一般議案関連質問を行いました。
私が取り上げたのは、市第148号議案 一般会計補正予算の中から、大きく3つ、
保育士の処遇改善、就学援助制度、横浜文化体育館の予算外義務負担についてです。
長くなりますので、それぞれの項目に分けてご報告します。
【保育士処遇改善】
今回の補正は、人事院勧告を反映して、保育士の処遇を1.3%改善するというものです。この1.3%というのは、目安で3900円程度の増加となるとのことです。
責任の重い現場で働く保育士の処遇改善は、これまでもこれからも課題です。待機児童対策と共に保育士の確保策としても、歓迎すべきことですが、まだまだ、到底十分とは言えない額であり、今後もより一層の改善が望まれるところです。
一方、横浜市には、保育士の配置を求められている事業が、この施設型給付、保育教育向上支援費の対象以外にもあります。横浜保育室や、乳幼児一時預かり事業といったところです。
横浜市が待機児童対策に力を入れて取り組んでいる中で、認可保育所以外の受け皿を用意し、保育の質を上げてきたことは、評価すべきことです。待機児童数は、毎年年度当初に大きく発表されますが、実は一番少ない時期でもあります。待機児童は、どんな時期でも生まれており、大きな課題であることは、言うまでもありません。乳幼児一時預かり事業が、時にはそういった児童の受け皿となり、時には在宅での子育ての助けとして、重要な役割を果たしてきているのです。
では、こういった事業で働く保育士たちの処遇はどうなっているのでしょうか?乳幼児一時預かり事業では、2009年の事業開始以来、処遇改善はもとより、補助金額の見直しもほとんどされていないのが実態です。多くの心ある人々の貢献のもとで運営されている現状では、多大なニーズに応え続けてゆけるのか、不安もあります。
同じ保育士でありながら、処遇の格差が広がってゆくと、どちらも大切な事業でありながら、働く人が不足する事態も考えられます。そうなる前の手立てが必要です。
この実態把握に努め、乳幼児一時預かり事業といった施設で、働く保育士などにも処遇改善を図っていくべきと市長に考えを聞きました。
しかし、答弁は、横浜市として、処遇実態を調査する予定はなく、国からの予算対応がない以上、処遇改善は困難だ。と言うものでした。
これまで、横浜市が保育の多様な受け皿を用意して、様々なニーズに応えてきた中で、乳幼児一時預かり事業は、特に評価すべき取り組みだと思います。しかし、そこで働く保育士の処遇に対しては、何の対策もしないと市長が明言したことには、大変な驚きとショックを受けました。
この点をもっとしっかりこの場で追求すべきでしたが、私に与えられた時間は尽きてしまいました。
一時保育を行う認可保育所は500箇所を越えますが、利用者数の1/3は、たった22箇所の乳幼児一時預かり事業が受け入れています。その上、定員を超えてしまい、預かることができない子どもが日に5人〜10人もいるというのが現状です。時には、深刻な課題を抱えた人も訪れます。この現状がある限り、事業の重要性は高まるばかりです。横浜市が補助を入れて行う事業である以上、当然そこで働く人の処遇は横浜市が責任をもって改善すべきと考えます。今後も諦めずに処遇改善を強く求めていきます。