市民自治を目指して

これが最後。とおっしゃる辻山先生。


8月26日「自治と地方自治」について公益財団法人地方自治総合研究所所長  辻山幸宣先生に講演頂きました。
「群民的自治体観」と「機構的自治体観」
出だしから聞き馴染みのない言葉で始まりました。「群民的自治体観」は、住民集団の側面を重視するもの。一方、「機構的自治体観」
は、行政サービスを提供することを重視するもの。私たちが求めた自治体のあり方に名前があることを冒頭で学びました。総務省「自治体戦略2040構想研究会」報告書からは、2040年に向けて、国は、機構的自治体観に基づいた構想を持っていることが読み取れます。辻山先生は、小さな自治体は消滅し、自治体は決まったサービスを届けるのみ、自治体の個性は意味がなくなる可能性を指摘されました。
自治体行政というものが、そもそも「ムラ」の共同作業とルールに生まれ、「政府の時代」へと移り、「新しい公共」と「協働」へ。自治体も時代の中で性質を変えてきました。
「協働」は住民の発意でなければならず、行政が提案してはならない。と辻山先生は仰います。行政と市民の「協働」の認識の違いこそが、違和感の源だと気づかされました。
住民自治を取り戻すはずの「協働」が政府の安上がり政策にならぬよう、長く声を上げてきた私たちにこそ提案すべきことがあるはずです。改めて市民自治を目指し、進んでいきます。