IR「基本方針案」を直接問う!

9月4日、国土交通省(観光庁)は、昨年7月に成立したIR整備法に基づき基本方針案を公表、ひっそりとパブリックコメントが募集されています。

これまで説明されてきた開業までのプロセスに沿わない基本方針案の公表に「どうなってるの?」
ということで、あべともこ衆議院議員の声かけによる、内閣府、観光庁ヒアリング。
大河原まさこ衆議院議員、江田憲司衆議院議員、真山勇一参議院議員と共に、横浜を中心とした市民が、法を作る側の参事官に直接疑問をぶつけてきました。

説明資料「IR開業までのプロセス」(クリックで拡大します)

説明資料にある開業までのプロセスでは、「カジノ管理委員会の設置後、基本方針を策定し、公表」とあります。しかし、カジノ管理委員会は、人事の提案すらされておらず、順序が入れ替わっています。これまでの説明を捻じ曲げて、唐突に基本方針案を公表、パブリックコメントを募集したことに対し、説明を求めました。
参事官は、開業までのプロセスは「あくまでイメージ」と口を揃えましたが、説得力は皆無です。

さらに、国内外の注目を浴び、多くの不安の声があるIR(カジノ)法の基本方針のパブリックコメント募集期間が、たった30日。
「なんでこんなに短いのか?」との質問に、
「行政手続法で求められている期間ですから」との答え。
これには
「違う!法の定めは30日以上。なぜ最低期間で行うのか!」
と、あまりの不誠実な答えに、怒りの声があがりました。

基本方針案の中には、IRが整備された後に、想定通りに運営できなかった場合などのリスクに関し
「(自治体とIR事業者間で結ばれる実施協定に)定めておくことが求められる」とあり、
その内容は、実施する自治体任せです。
これでは、中身のない基本方針を作ったら、あとは自治体と事業者に委ねられ、国は傍観者。

また、ギャンブル依存症対策などいわゆる「有害影響排除」に関しては、なんら具体的な対策は示されていません。
医師やDV支援を行なっている参加者から、世界最高水準とされる規制のゆるさ、依存症対策の甘さが指摘されました。
ギャンブル依存症は特攻薬も治療法も確立されていない深刻な病です。

他にもまだまだ、聞きたいことが・・・
事業者の公募・選定に係る事項の中には、
「基本方針が公表される前から進められている手続の取扱い
都道府県等による実施方針の作成や民間事業者の公募及び選定は、基本方針に即して行われることが求められる。
他方、IR区域の整備の内容を優れたものとするとともに、IR区域の整備による効果を早期に実現させる観点から、都道府県等において、基本方針が公表される前から、実施方針の作成や民間事業者の公募及び選定のための手続等を進めておくことも想定される。」
とありますが、これって・・・
すでに事業者の選定が始まっているということ・・・?
気になる事だらけの基本方針案ですが、意見募集は、10月3日まで。えらいこっちゃです!

そして、20日は、横浜市会で、IR関連補正予算が議決されます。
先立つ17日の政策・総務・財政常任委員会では、補正予算案が付帯意見がつけられ、自民・公明会派の賛成で可決されています。
この付帯意見も、補正予算が可決されれば、市長はどうあっても誘致方針は撤回しないと明言している以上、なんら意味を持ちません。
横浜市会の会派構成からは、20日の本会議において、補正予算の可決は免れない状況ですが、傍聴席から、大勢の市民と注目したいと思います。