院内集会『介護保険実施20年 介護保険制度の崩壊ストップ!緊急アクション』
[院内集会]『介護保険実施20年 介護保険制度の崩壊ストップ!緊急アクション』を開催しました。
150人を超える人で、衆議院議員会館の大会議室が熱気に包まれました。
当事者、その家族、事業者が、それぞれの立場から、「もし、要介護1・2が介護保険給付から外されたら…」
これからの社会への危機感に、悲鳴とも取れる声を上げました。
沢山の方に参加いただいた署名も、この日まで集まった、22471筆を提出しました。
最終集計を11月20日として、すべての署名を、財務大臣、厚生労働大臣に送ります。
事前に投げかけた質問に対し、厚労省からの回答は、ほとんどが
「現時点では、決まっていない。これから検討をしていく」という逃げ口上。
要介護1・2の地域支援事業への移行への検討は、「制度からなくすことではない」と言いますが、総合事業の拡大という解釈は、ずるい言い方!
先に移行された要支援1・2の受け皿も確保されているとは言い難いのが現状です。
現状の総合事業は、利用人数ベースでは、基準を緩和して担い手を広げたはずのサービスA・住民主体のサービスB共に、2割に留まり、実はいまだに8割以上が従前相当という状況です。(表1参照)
横浜市の状況も、30日の横浜市との円卓会議で明らかになりました。
ボランティア等住民主体で行う「サービスB」は通所事業では、たった31団体。
その利用人数は、延べ54000人と言いながら、要支援者はそのうち1割程度という実態です。
また、「総合事業実施効果の点検・評価」を行なっている自治体は、約3割、
「総合事業にかかる費用対効果による事業評価」を行なっている自治体は約1割にとどまる状況の中で、次期改定で要介護1・2を移行するというのはあまりにも無謀と言えます。
この日を同じくして、厚生労働省社会保障審議会では、介護保険部会が開催され、まさにこの議論が展開されていました。
経団連からは、財源・人材の課題から、「介護保険は重度者に重点化すべきで、軽度者へのサービスは総合事業へ移して欲しい」と要請があった一方、自治体や現場関係の委員からは、担い手確保や、先に述べたような受け皿が育っていない現状を踏まえるべきとした反対意見が続出したと報道がありました。そして、認知症の人と家族の会の理事は「何度でも言うが、そもそも要介護1、2は決して軽度者ではない」と訴えたとのこと。この声は、私たちの主張とも合致するものです。
(介護のニュースサイトJOINTから)
院内集会では、介護報酬に関し、「加算より基本報酬を上げるべき」という、私たちの主張に対し、厚生労働省の回答は、
「介護職員の処遇確保には、基本報酬の引き上げは、必ずしも賃金引き上げにあたらない。むしろ加算で、確実に賃上げを担保する。」のだと…
なんだか、まやかしのような…。
いつ切られてもおかしくない不安定な加算に頼らず、基本の報酬を上げてこそ、介護の仕事の評価につながると考えます。
何年続けても、最低賃金だと訴えるヘルパーさん、身を挺して利用者に寄り添う現場の人たち、自分自身を最大限差し出して支える家族。この日もこうしたつながりと苦労の上に訴える姿を目にすることができました。
介護サービスは、人と人の関係の上にしかなり得ないもので、人と人の関係を豊かに穏やかにする為の処遇改善は不可欠です。
こうしたの声は「介護保険制度がこれからの社会に、必要な制度」だと、集まった皆が心から思うからこその提案です。
どうか、この切実な声に耳を傾けて、介護保険制度は、必要な人のために。
財源論からではなく、必要なことは何か本質を見極めた改定を。
国へ、そして自治体へ、共に声をあげ続けていきます。
次は11月11日「介護の日フォーラム」
アクションは続きます。