青葉区が!? 生活困窮者相談件数増加の考察 〜 地域で助け合う力を強くする
コロナウィルスは、多くの人の生活に影響を与えました。その全容はまだまだ見えませんが、ネット青葉では、「フードバンクかながわの取り組みを聞くミニフォーラム」「生活困窮者の今を考えるミニフォーラム」と、様々な人と共に考える機会を重ねてきました。
このコロナ禍の4・5月、横浜市の生活保護の申請件数は、昨年度比約1.5倍。また、生活困窮者自立支援制度の新規相談件数は、約7倍と急増しています。
さらに、区ごとの状況を調べてみると、意外なことに青葉区の相談件数が、特に多いことに気がつきました(表)。
4月の生活困窮者自立支援相談件数は、なんと18区中最も多い363件。コロナ禍での相談は、例年に比べ20代~40代の若い層に多いのも特徴的です。
今回、コロナの影響から、住居確保給付金の支給要件が緩和をされる法改正があり、多くの相談は、この住居確保給付金に関するものでした。
これまで、比較的所得が高く、富裕層が多いと言われてきた青葉区にどのような変化があったのか、私たちは、ミニフォーラムの中で、いくつか仮説を立ててみました。
・経営者層が多く、コロナショックが直撃した。
・家賃が高いため、住居の相談が多く寄せられた。
・情報リテラシーの高さから、相談に繋がっている。
・大学が比較的多いことから、学生の相談が多いのではないか。
・収入が高いゆえに、8050問題などの増加の可能性。
これらは、当然勝手な仮説に過ぎませんが、では、この状況を相談の窓口である青葉区生活支援課は、どのように考察しているのかヒアリングに出かけました。
生活支援課では、思ったより危機感を抱いている様子はなく、主に、生活不安からの相談が増えた。という受け止めでした。
例えば、1000万の貯蓄を、まだ1000万もある。と受け止めるか、1000万しかない。と捉えるか。そのラインが高いのが青葉区の特徴。また、困り感を周囲に知られたくない為、区役所に来る。ということもあるかもしれない。と。
「なるほど」とは思うものの、もう少し深いところに課題があるように思えてなりません。
また、この間、ひとり親支援で始まった「フードサポート事業」や、社協が行なっている学生支援などとの実質的な連携体制は取られておらず、縦割り行政の弊害が垣間見えました。
生活困窮者自立支援制度は、生活保護の手前の第二のセーフティネット。本来ならば、すべての生活困窮者にとってこの窓口が支援の入り口になるべきところです。昨今、生活困窮されている人の特徴は、困りごとが重層化していることであると言われています。その重層化された多くの人の相談に応えていくこともこの制度に期待された点でした。施行から5年。このコロナの危機を迎え、今こそその役割が期待されています。
しかし、その実情は、厳しいものが窺えます。
青葉区の生活困窮者自立支援担当のケースワーカーは、なんと1人!
急に相談が増えたことで、業務はより煩雑化したことと思います。
住居確保給付に対しての人員配置は予算化されましたが、相談業務は、変わらず大きな負担となっていることが容易に想像できます。
引き続き、現状を調査していきます。
「フードシェア・青葉」は、青葉区で食を通じたネットワークを作ろうと立ち上がりました。区内でフードバンクかながわと連携した、フードドライブ ( 地域で食品を集める活動 ) を行い、地域から寄せられた寄付(主にご家庭で余った食品や不要となった食品)を、区内のフードパ ントリー ( 手渡しで市民へ食糧支援を担う地域団体 ) に届ける活動を行います。
17日~21日フードドライブを開催しています。
ご家庭で余っている食糧を提供してください!
量が多い・重い等で持ち運びが難しい場合、こちらにご相談を↓
E-mail: fs.aoba@gmail.com