カジノを考える市民フォーラム 報告集会

11月9日、横浜未来アクションとして参加をしている「カジノを考える市民フォーラム」が報告集会を開催しました。
林市長のカジノ誘致宣言から2年。
住民投票の直接請求、横浜市長選挙を経て、ようやくカジノ誘致事業は止まりました。数多くの市民と市民団体がこの間活動をし、カジノを考える市民フォーラムもその一翼を担ってきたと自負しています。
この2年を振り返り、これからへの提案を行っていく報告集会となりました。
来賓には、ハーバーリゾート協会の藤木会長がお見えになり、会場はピリッと緊張ムード。
「カジノには、最後まで、山下ふ頭で立ちはだかる構えだったけれど、その必要がなくなった」と。
声の張りも足どりも御年91歳とは信じがたいですが、お話の内容もオーラも、歴史を重ねた人ならではの貫禄でした。
報告の前段は「市長選の結果と分析」が上林得郎さんから行われました。衆院選が終わった直後で、まるでずいぶん昔のような気がしてしまいますが、夏の市長選挙は、コロナの感染者数の増加とともに進み、そのことが「コロナの専門家」をキャッチに戦った山中氏に追い風になった。といったデータに基づく分析もありました。
鳥畑先生から『カジノ構想の終焉』と題し、引き続き大阪、和歌山、長崎で続くIR事業の厳しい現実を伺いました。厳しいと言ったのは、IR事業に固執する自治体。それに名乗りを挙げる事業者の乏しい現状のこと。
大丈夫?と心配せずにはいられません。
今回もこれまでも、鳥畑先生の実に明快で、的確かつ綿密な分析に、いつも助けて頂きました。
冒頭「横浜市のカジノ撤退はミラクルだった!」との言葉があり、
私からは、その「ミラクル」を市民フォーラム2年の軌跡をと共に振り返る活動報告をさせて頂きました。
カジノ誘致は突然に…からの、なんとも濃い2年。
カジノは止まりました。
しかし、「良かったね。ちゃんちゃん。」で済ます訳にはいきません。カジノ誘致事業はこの間多額の予算と人員が割かれ、結局市民に問われたのは2年経った市長選挙だった。という市政の大きな誤りです。
振り返りの時間を頂き、改めて、この2年は、あれはなんだったのか?という疑問を感じずにはいられません。
その一方で、この結果を成し得たことに対して、安堵と横浜市民としての誇らしい気持ちも湧きました。
集会の締めくくりでは、斎藤勁さんから、横浜市には、カジノ誘致事業に関し、第三者委員会の立ち上げを含め詳細な検証を、引き続き求めていくこと。
国に対しては、カジノ法案の廃案を目指していこう。との提案が確認されました。
奇しくも、山中市長は同日の会見で、事業のふりかえりを現在行っており、報告書を年度内にまとめるとの考えを示したと報道で知りました。
今や文字通り白紙となった山下ふ頭の再開発計画含め、山中市長が、透明感を持ってこれまでの事業を検証し、これからの計画をいかにして市民と作り上げていくのか、私たちの責任としても、引き続き問い続け、提案していきます。

上林得郎さん

鳥畑与一さん(静岡大学教授)

斎藤勁さん

ハーバーリゾート協会 藤木幸夫会長

活動報告を担当しました

市民フォーラム共同代表 若林ともこさん(生活クラブ運動グループ・横浜未来アクション)、斎藤勁さん(勁草塾)、岡眞人さん(横浜地方自治研究センター)司会は若林さん