高齢者を支える地域の居場所

今日20日は、スペースナナの総会でした。オープンから11年。震災後の計画停電の時も私たちの居場所でした。コロナ禍にあっても、地域の居場所の出番だと場を開き続けてきました。
年齢や障がいやジェンダーや人種を超えて多様な人がまじりあう場を目指してきたけれど、今は少しづつ対象がはっきりしてきたように思います。

一人になり、子に呼び寄せられて子ども一家の近くに住んでいる一人暮らしの高齢者。
「毎日寂しくて涙が出る」という声に「おひとりさまカフェ」を始めたり
長らく続いている「手仕事カフェ」は、実は「手仕事しなくてもいいカフェ」で、高齢だったり、認知症だったり多様なひとが参加しています。とか。
様々な介護をする人のほっとする場「とまり木カフェ」も始まっています。
また、震災の避難者と支援者の交流の場「311カフェ」。政治を語る「ヒミツカフェ」
フードドライブやフードパントリーの活動も続いています。

多様で小規模な「場」が地域には、たくさん必要なのだ。という活動計画の議論が印象的でした。

高齢者が対象になる取組みが増えてきているけれど、それは、地域のニーズでもあるのだと思います。高齢になって、不自由を感じるようになっても、豊かな時を過ごせる場を求めるのは当然のこと。一方で、その人に介護が必要になっていることが明らかでも、必ずしも適切なサービスにつながっていなかったり、疑問を抱くシーンも増えてくるだろうと想像できます。
そんな時にこそ、福祉と密に連携できる仕組みの必要性も感じました。

スペースナナでは、サービスBと呼ばれる横浜市介護予防・生活支援サービス補助事業も行っています。
横浜市のサービスBは、介護保険の財源も活用する、本来は、要支援者への事業ですが、利用者のうち、要支援者はたった15%という現状です。現実には、多様な人を対象とした地域のボランタリーな居場所に補助が入る仕組みで、本来の目的に照らして、見直すべきと私は指摘してきました。
実際にサービスBを運営している状況を伺うと、違った角度の課題も感じます。
サービスBに通う高齢者が介護認定を受けたのちも通い続けたいと言った場合に受け入れるいわゆる「弾力化」も今年開始されています。地域で介護が必要になっても本人の希望を受け入れる体制整備として進められていますが、事業者の立場からは、専門的な人材はいない、人件費もない「通いの場」で、介護を支えていくことが求められるといった厳しい状況も想像できます。
介護保険は、介護を社会で支える仕組みですが、本来受ける権利があるサービスを地域に押し付ける「共助」に頼るのでは、意味がありません。

豊かな地域の「場」と介護サービスのあり方を考える機会ともなりました。
これからも発信し続ける居場所を、 私も大切にしていきたいと思います。