『ナラ枯れ』を考える夕空ミニフォーラム

1月15日「『ナラ枯れ』を考える夕空ミニフォーラム」を寺家「里のengawa」で開催しました。

第一回の開催は桜台公園でしたが、その際に紹介されたナラ枯れで伐採された木の薪木で、焚火を囲んで語り合う会です。
第一回のレポートはこちら)火って、ほんと暖かい。真冬の夜にも関わらずコートを脱ぐくらいでした。しかも不思議と炎の前だと話がしやすいような気がします。里のengawaの素敵な雰囲気も相まって、豊かな時間を過ごすことができました。

今回使用した桜台公園の一角に積み上げられた薪木。中に眠るキクイムシが再拡散しないためにも使い切ること、遠くに持ち出さないことも肝要です。

横浜市のナラ枯れ対策?

ナラ枯れは深刻な広がりをみせていますが、横浜市には、特別「ナラ枯れ対策」と呼べるものはなく、通常の維持管理業務の中で他の枯木と同様に対応しています。急速に増えるナラ枯れに追いついていないのが現状です。

そもそも横浜市の森林保全については、市内の樹林地の実態に合った標準的な作業技術指針である「横浜市森づくりガイドライン」と、個別の樹林地の特性に配慮した「保全管理計画」を組み合わせて管理を進めています。しかし、寺家を含め、青葉区の樹林地には保全管理計画はありません。計画的に森林の保全に取り組む環境がまだ整っていないとすれば、ナラ枯れ対策以前の問題かもしれません。(計画があればうまくいく、と言うものでも無いですが…)

隣の芝生は青い…?
会場の寺家ふるさと村は、町田市、川崎市と山で接しています。他の自治体はどうでしょうか。

町田市では、「ナラ枯れ・カシナガ捕獲大作戦」という市民がナラ枯れの原因であるカシナガキクイムシを捕獲するプロジェクトが展開されています。2018年の市制60周年で行われた「まちだ◯ごと大作戦18-20」の一環で始まり、取り組みは町田市全体に広がっています。ナラ枯れ対策としての実効性は高くはないかもしれませんが、市民参加が広がる面白い取り組みです。

川崎市麻生区早野では「早野聖地公園里山ボランティア」の方々が、ナラ枯れの木を炭焼きにする取り組みで「川崎市スマートライフスタイル大賞」優秀賞を獲得したというニュースも聞きました。
ナラ枯れし、伐採した木の活用または処分の問題にも注目していたので、一同これには興味津々。刺激を受けて、様々なアイデアも出てきました。

 

 

未来に向けて・・・
「ナラ枯れを考えるミニフォーラム」では、第1回、2回と意見交換を重ね、樹木医の持田さんのお話からも、ナラ枯れを止めるのは難しく、一定受け入れざるを得ないことがわかってきました。しかし、公園など公共の場では、倒木などの危険もあり放置することはできません。ナラ枯れする木は、多くが大木であることから、伐採には危険が伴い、専門家の手が必要であり、当然コストもかかります。行政も無策では済まない事態が間も無くやってくるのではないかと思います。
私たち市民が、ナラ枯れ後も含めたこれからの地域の森林や公園のあり方・維持管理に対し、アイデアを出し合いながら、それを活かしていける取り組みを生み出していけたら。と模索し続けます。

第一回から参加してくれている小学生の女の子、なんと冬休みの自由研究として「ナラ枯れ」を取り上げ、地域の状況を独自に調査したんだと報告してくれました。こうして、意識が高まることは、何よりの成果かもしれません。
参加者のお一人が「こうやって、地域の森林の課題にこんなに多くの人が考え、こうした場に集まることがすごいことだと思う。未来は明るい!」と言っていたのが印象的でした。
歩みは小さくとも、私たちの地域の環境を考え続けることは、きっと豊かなミライにつながっていると信じ、また次の一歩につなげていきます。

揺れ動く炎を見ているだけであっという間に時間が過ぎるよう・・・