「困難な問題を抱える女性支援法」要望書提出。どこまで進んでいる?

去る10月19日、共同の家プアンの「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の 基本方針策定にあたっての要望書」に賛同し、ともに厚生労働大臣宛に提出して参りました。(要望書はこちら

大河原まさこ衆議院議員にコーディネートいただきました

その際、子ども家庭局家庭福祉課母子家庭等自立支援室の女性保護専門官、及び係長に来年度予算に向けた検討状況を説明いただきました。

昨年度創設された「若年被害女性等支援事業」(対象は若年に限っていない)は、夜間の見回りやICTを活用した相談支援などのアウトリーチ支援を必須事業としています。また、任意事業として居場所の確保、自立支援などがあり、来年度は、こうした事業の一部を委託する団体増を見込み予算が拡充される見込みとのこと。しかしながら、こうした事業は実施主体が自治体になり、自治体に理解がないと進まないというのが実情です。いくら予算が拡充されても補助率は国1/2、都道府県・市1/2となるため、なかなか重い腰が上がらないということのようです。この補助率を変えられないということであれば、実施にインセンティブが得られるなどの何らかの手立てが、必要になると感じました。

今回の要望で私たちは、女性相談支援員について、配置の充実や質の確保を求めています。それに関しては、来年度「婦人相談員活動強化事業」が拡充され、一定の経験と特定の研修を受講した場合に相談員の処遇が改善される見込みとの良いニュースがありました。(統括婦人相談員または主任婦人相談員として配置した場合に加算がされる仕組み)しかし、大きな落とし穴を発見してしまいました。

8割の自治体では、婦人相談員は非常勤で配置されているのが実情で、そうなると、この加算の対象以前に会計年度職員の規定に習うことが前提になる可能性が高いということです。会計年度職員は、1箇所3年の勤務が最大という不安定な働き方となっていて、多くの課題が指摘されています。要望にもある通り、制度的に安定した雇用によって、必要な研修や経験・知識を積んで、専門性を持った女性相談支援員の人材の育成・確保につながる仕組みがやはり必要です。

新規事業としては、「困難な問題を抱える女性への支援体制構築事業」があり、この中で、都道府県の基本計画等策定の準備が整えられていくことになります。まずは調査から。ということで、潜在的なニーズを含めた調査の実施が待たれます。

施行までと言わず、一日も早く、支援体制が整えられていくために、今後は、実施主体の県に対しても働きかけの必要性を感じました。引き続き取り組んでいきます。