改悪止めた!? 第9期介護保険制度に向けて
介護保険部会の結論として
厚生労働省社会保障審議会介護保険部会が12月20日、介護保険制度の見直しに関する意見をとりまとめました。
私たちが反対し、要望書を提出していた
1.要介護1,2を介護保険給付から外し、総合事業へ移行する案
2.ケアプランの有料化
については、さらに次の改定議論に持ち越されました。
ひとまず、胸を撫で下ろし、多くの声が届いた結果と受け止めます。
3.利用料負担を原則2割とする案
4.福祉用具のレンタルを販売への変更
に関しては引き続き議論が続きます。
今回は、止まっても、次の改定には同じ案が出てくるとあって、働きかけを続けていきます。
逼迫する介護人材
このとりまとめの中では、介護人材確保も大項目で取り上げています。
2025年までにさらに32万人の介護人材の増加が必要とされ、喫緊の課題です。
有効求人倍率は、介護分野で約3.64倍(一般平均1.06倍)と高いですが、これが訪問介護に限ると14.92倍と飛び抜けて高い状況です。
この対策は、処遇改善。それも基本報酬アップが何よりも有効と考えますが、そうはなっていない現実。特に一番深刻な訪問介護員の処遇は相変わらず改善されません。
この「とりまとめ」の中にある人材確保策にも、「処遇改善」の文字はありますが、具体策は、
介護人材を確保するためには、処遇の改善、人材育成への支援、職場環境の改善による離職防止、
介護職の魅力向上、外国人材の受入れ環境整備…
また、他業種からの就職支援とICT活用…
と、こんな感じです。
どれも必要な対策のではありますが、もっと現場は逼迫しているのではないかと思います。
横浜市もいつも人材確保策として一番に挙げる外国人材の受け入れ
ですが、家庭に入るヘルパーの支援を外国人材に頼るには、まだまだ乗り越えるべき壁があります。そもそも、日本人が納得できない処遇で外国人を採用するとは、ずいぶんな上から目線。
そもそも、円安も相まって、日本は選ばれる国になっているでしょうか?
このことは、私たち、何度でも問い続けていきます!
私たちが介護をする、または受ける時に、まず必要なのは、在宅サービスです。在宅で暮らせる時間が長くなることは、トータルの介護保険財政にも好影響を与えるはずです。そして、多くの人の願いも住み慣れた場所でできる限り長く暮らしたい。ということ。
この実現のためにこそ、介護保険はあるはずです。介護が必要な時の「保険」として、介護を社会化し、サービスを自己決定する、本来の理念に立ち戻り、見直していくことに、引き続きおおぜいの仲間とともに取り組みます。