迷走!? 介護保険制度改定
6月8日、私も参加している「介護の崩壊をさせない実行委員会」で、大河原まさこ衆議院議員にコーディネートいただき厚生労働省職員との意見交換を行いました。
介護保険制度は、3年に一度の制度の見直しが定められており、次期改定を来年春に控えています。
この第9期の介護保険計画に向け昨年末、社会保障審議会が出した結論は、一部の論点を先送りにするものでした。
【先送りとなった主な課題】
・高額所得者の保険料引き上げ
・自己負担2割の対象拡大
・老人保健施設などの多床室の有料化
いずれの論点も実行されれば、自己負担が増加することとなれば、必要なサービスの利用控えが発生する恐れがあり、利用者、また取り巻く地域への影響は多大です。
6月7日、岸田首相は、利用者負担の引き上げを実施するかどうか判断する時期を、今年の年末まで先送りする方針を表明しましたが、選挙への影響も懸念し、難題を先送りしたい意図も見え隠れします。
この日厚労省の担当者からは、「9期の制度改定に間に合うように。」というお答えがありました。9期改定とは、間近に迫った来春です。
結論が出て終わりではなく、それを受けて、自治体では、3カ年計画を策定してパブリックコメントを実施しなければなりません。予算の審議も控えており、自治体も事業者もヤキモキしているはずです。政府および自治体には、市民への説明を尽くす責任があり、これ以上の結論先送りは許されません。
また、私たちが強く反対をした要介護1・2の総合事業移行、ケアプラン有料化は、9期の実施は見送りとなりましたが、10期での実施に向けて含みを残しています。4月から設置をされている「介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた検討会」については、「要介護1・2の移行を前提としたものではない。」ということは確認できました。しかし、総合事業の構築を前提としている検討会であることは明白。導入から8年が過ぎ、本来の要支援者への受け皿としてなり得ない現状にありながら、まだ続けるのか?という思いです。在宅での暮らしを現実に支える介護の現場に目を向けて、机上の空論から脱却した政策への転換が必要です。検討会へは、要介護1・2の総合事業移行をすることのないよう、介護保険財源は、その目的に照らし介護が必要な人へ活かしていくという前提で総合事業の見直しを求め、6月15日に、座長宛に、『総合事業検討にあたっての意見書』(内容はクリックで開きます)を提出しました。