ギャンブル依存症家族の現状・・・家族の会の皆さんに伺いました。
全国ギャンブル依存症家族の会全国ギャンブル依存症家族の会 神奈川の皆さんと意見交換しました。
私は、ギャンブル依存症って、見えにくいけれど、実はとても身近な課題だと思っています。案外、ギャンブルで困っている人、見渡すといませんか?
ギャンブル依存症家族の会神奈川(以下家族の会)の皆さんは、決して特別な人たちじゃない。同級生のママ友・・・そんな印象を持ちました。ギャンブル依存はどんな家庭にも起こりうる問題です。
そんな家族のリアルな事例を伺いました。
Aさんの場合
Aさんの息子さんは、某有名県立高校から、某有名私立大学に進学したスポーツマン。ところが、スポーツくじにハマり金銭のトラブルが頻発。ご家族は、尻拭いに奔走する日々。有名企業に就職したが、それでも続き、警察や弁護士に相談しても改善しなかったそう。
藁にもすがる思いで行ったメンタルクリニックでは、「起業した方がいい」とアドバイスされたと・・・依存症は病気なのに、メンタルクリニックのその助言はあまりにトンチンカン。
絶望し、差し違えて死のうと思ったこともある。と。
ようやく辿り着いた「家族の会」から回復施設を経て、今は社会復帰を果たし、元の会社に戻って働いているそう。適切な対応が、良い結果につながることを教えてくれます。
Nさんの場合
Nさんの息子さんも某有名私立大学に通い、希望の会社に就職、誰もが羨むような人生を歩んできた男性です。
しかし、オンラインギャンブルにのめり込み、段々と家のお金がなくなりはじめ、借金をするように。親心から返済を肩代わりするも、コロナ禍でさらに悪化し、その額は1000万超え!!
ようやく家族の会と繋がってはじめてギャンブル依存が病気であることを知ったそうです。
回復施設を経て、現在は自立を果たしたとのこと。正しい対応の必要性を訴えておられました。
家族の会の支援
適切な対応の一つとして、家族が借金の肩代わりをしないことが重要なのだそうです。
家族の会では、まず、家族と同居している場合には、別居を促し、家族ではなく、「家族の会」が当事者の伴走支援をします。
まずは、電話相談、対面相談から始まり、毎週zoomミーティング、LINEのグループミーティング、随時LINEとかなり手厚いサポートを行っているそうです。
意外だったのは、スマホを取り上げたり、管理をしたりはしない。ということ。オンラインカジノを自動でログアウトするようなアプリを紹介する程度で、基本的に自分で管理をしていくのだそう。また、家族の資産を守るように名義の変更などの支援を行っているそうです。
児童手当問題
子どもたちのために、家庭に支給された児童手当をギャンブルに注ぎ込んでしまう。ということは珍しくありません。
児童手当は、多くは父親に支給されるケースが多く、ギャンブル依存になったのが父親である場合、児童手当を妻に支給する手続きがスムーズに進まないケースが非常に多いと問題視されています。
受給者変更にあたり自治体から求められる「条件」としては、
・妻の所得が夫より多い
・夫自筆の児童手当受給者消滅書の提出を求める
・妻が子を扶養している(主に健康保険上)
・夫がギャンブル依存症という疾患に罹患しているという医師の診断書を提出
・住民票を夫婦で別にする
といったものがあります。窓口で非常に厳しい条件を課せられる場合もあるようで、改善が必要です。
県内の事例では、
夫婦の収入高低を比較された。出産前は妻の方が収入高であったに
(川崎市)
夫の受給者消滅届、ならびに妻の児童手当認定請求書提出に際し、
(平塚市)
所得が夫より低いという理由で変更が認められず。その後児童手当
(横浜市)
というケースがあったそう・・・
妻の収入が夫より多くなったからと言って、児童手当の受給者の変更を求められるというケースは聞いたことがないのに、なぜ、そこまでこだわるのか不思議です。
引き続き、家族の会の皆さんと連携しながら、ギャンブル依存症対策に取り組んでいきます。