女性の人権を語る法律がやっとできた→女性の支援はどう変わる?
共同の家プアンのあらたなスタート
6月23日は、共同の家プアン主催の講演会でした。
共同の家プアンは、DV等で緊急一時避難した後のステップハウスとして、女性の自立までの支援を行なって20年、115人を送り出してきました。
当初、利用者はDV被害者の外国籍の女性が多かったのが、現在は、日本人の若年女性が多いのも、時代の流れでしょうか。
昨年、プアンは、施設建物の存続危機があり、多くの寄付で建物を買い上げて乗り切りました。
様々な民間支援団体が団体が歴史を持つとともに、建物の老朽化や担い手の高齢化といった課題に直面し、存続危機に陥る事例をよく耳にするようになりました。
誰かの「やりがい」に頼って乗り切る支援から、もう抜けださないと!
それにしても、プアンが、この大きな壁を寄付で乗り切ったのは、本当にすごいことです。
売防法から困難女性支援法へ
講演会は、戒能民江先生(お茶の水女子大学名誉教授)のお話でした。
「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が今年施行されましたが、その前身は、「売春防止法」。売防法は、刑事処分を含む保護更生を目的とした法律=女性を罰するもの。ここから、女性を支援するものに変えるのになんと66年。ずいぶん時間がかかりました。戒能先生は、この問題に粘り強く取り組んでくれた立役者のお一人です。
しかし、法律や制度ができて課題が無くなる訳もなく、ここからがスタートとも言えます。
神奈川県では、今年3月に、「かながわ困難な問題を抱える女性等支援計画」を策定しました。
新たな取り組みとしては、アウトリーチやSNSを活用した支援団体への補助や、社会とつながりを持ったまま活用できる施設の設置などが今年度から予算化されています。
また、支援調整会議を県や市町村に設置するとされており、いまだ検討段階です。
支援への取り組みは、常にプアンのような民間が先導してきたところでもあり、民間との連携・協働が鍵となります。
女性であることにより様々な困難な問題に直面する事例や犯罪は後を立ちません。
暴力の形が時代に応じて変化しているのも、
「長年の男女不平等に基づく女性の困難の顕在化に過ぎない」と戒能先生。
法律が出来、計画が出来ても、まだまだ未熟なもの。実行する推進力には、予算と人員が欠かせません。そこは政治の役割でもある。
現場とともに制度を育てていけるように。私も思いを新たに取り組みます。