文書質問 〜要配慮者の災害対策
先月、障害のある人とその家族の災害時の避難を考える『障害児・者の災害対策を考えるミニフォーラム』を開催し、多くの当事者や支援に関わる人たちと意見交換を行いました。
いつ起きるかわからない災害に対しては、「これで大丈夫」という対策はなかなか打てるものではありませんが、一人ひとりの心構えと地域、行政との認識をすり合わせていく準備が必要だと強く感じました。
青葉区の認識
6月11日に行われた青葉区議員団会議(*1)において、青葉区の福祉避難所の現状認識と方針について質問しました。すると担当者から、区内の福祉避難所の需要は満たしているとの認識が示されました。(議事録)
マキのつぶやき・・・まさか、ちょっと想定外のお答えで、一瞬固まってしまう私(議員団会議は、とても短い時間でのやり取りになるため焦る)
前述のミニフォーラムの記事にも書きましたが、青葉区では、高齢者施設15、障害児者5、ケアプラ12施設が指定されていますが、受け入れ人数は、横浜市全体でたったの約15700人。その57%が高齢者施設というのが現状です。
この認識のズレが、災害時には当事者にとってはとても深刻な事態になることが懸念されます。
*青葉区議員団会議:青葉区選出の県議・市議と青葉区内における諸行政について協議する場。原則として年6回開催され、必要に応じて行政機関その他の関係者の出席を求め、説明を聞くことができる
文書質問
神奈川県は、直接福祉避難所を立ち上げる立場にはありませんが、災害は、境目なく襲ってくるもの。広域自治体としての支援が必要になります。先日閉会した神奈川県議会第2回定例会で、質問趣意書を提出しました。質問全文はこちらから
福祉避難所の拡充
県には、福祉避難所の確保に向けた市町村の取組を推進するため、庁内の福祉、医療、防災の関係課で構成する「福祉避難所市町村サポートチーム」を組織しています。
今後、さらに福祉避難所の拡充を図るため、県が直接、福祉施設団体や各施設に対して協力を働きかけていくほか、福祉避難所の開設に必要な人員や資機材が確保できるよう、市町村の課題をよく把握し、福祉避難所の充実に向けた新たな支援策を検討していく旨の答弁がありました。
個別避難計画の重要性
また、障害のある人は、それぞれ特性が異なり、避難計画をひとくくりにするのは難しいため、個別避難計画の作成が重要になります。国の災害対策基本法では、避難行動要支援者ごとの個別避難計画の作成が市町村の努力義務とされていますが、まだまだ進んでいない実態を把握し、県としても支援をしていく必要性を訴えました。
県では、国の個別避難計画作成に係るモデル事業を活用し、その成果を各市町村と共有し、活用を促していくといった答弁がありました。
引き続き、ミニフォーラムや意見交換の場をつくり、地域での備えを考え、行政の役割を問いつづけ、いつか来るであろう災害への対策を進めていきます。