視察報告 長岡市

2016年8月3日 17時43分 | カテゴリー: 活動報告

0722aore 最終日は長岡市へ。
「アオーレ長岡」は、その印象的な外観に加え、「アリーナ」と「ナカドマ」と呼ばれる屋根付き広場が市役所と一体となった施設。新国立競技場で話題となった隈研吾氏の設計です。話題を呼んだオープンから4年が経ち、更なる発展を遂げています。今回は、市民協働の取り組みについて伺いました。
アオーレのオープンから2ヶ月後、長岡市の市民協働条例は横浜市と同時期の2012年6月に公布されています。
長岡の「米百俵」の精神が冒頭に謳われ「笑顔いきいき・協働のまち長岡」を目指し制定されました。
アオーレの3階には2つのNPOが運営をする市民協働センターが設置され、市民活動のサポートや情報の収集・発信、人やアイデアをつなぐ場として利用されています。この4年で市民協働センターの相談件数はおよそ2.5倍の伸び。長岡市が所管するNPO法人数もこの10年で2.5倍の増加となっています。
2013年からはじまった長岡市市民活動推進事業補助金制度が、この流れを大きく飛躍させました。市民事業の大きな課題である資金調達が円滑に行われることで、市民事業が拡大をみせたものと考えられます。補助事業数の増加は継続をしており、2016年度予算では、過去最高の2500万円が計上されています。1事業の補助上限額は100万円。多くの市民事業をスピーディーにサポートするために、補助金制度の審査は毎月行われ、2015年度で年間97事業に補助金が交付されました。

ガラス張りでスタイリッシュな長岡市議会議場

ガラス張りでスタイリッシュな長岡市議会議場

横浜市の市民協働事業、補助金制度といえば、「ヨコハマ市民まち普請事業」がまず浮かびます。長岡市の補助金制度と比べ、補助金額は最高500万円と高額で、ハード面の助成に特化しているという違いがあります。まち普請の補助金交付までの道のりは、長く、選考にかかる労力は高いハードルですが、プレゼンテーションそのものが、公開性を担保し、市民コミュニティ形成にも寄与しています。
また、「よこはま夢ファンド(市民活動推進基金)」は、寄せられた寄附金を基金に積み立て、あらかじめ登録されたNPO法人の公益的活動への助成など、横浜市内で活動する市民活動団体の支援のために活用する制度です。その資源が寄附という点が特徴ですが、この10年で1億9500万円を超える寄附があり、1億4700万円が活用されています。
こうした横浜市の市民活動を支援する制度は、調べてみると結構出てきます。しかしながら、人口370万人を抱える巨大な自治体では、充実している。という実感には繋がらないのが現状です。

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議場の印象的な天井

長岡市議会の議場も見学しました。
天井の木のパネルが目を引く、すり鉢状の印象的な議場。ナカドマ(屋根付き広場)に面し、ガラス張りの壁面からは、中の様子が伺えます。(しかし、実際の会議中は、落ち着かない。ということで、ブラインドが閉められているのだとか・・・)見上げると螺旋を描く木のパネル。図らずも長岡花火をイメージさせる美しい空間を演出しています。

今回の視察行程はこれで終わりでしたが、ランチの時間を利用して、私はもう一箇所、アオーレに近接した施設を見学しました。
中越地震の記録と復興の足跡や防災・減災についての資料が入手出来る「長岡震災アーカイブセンター きおくみらい」です。0722kiokumirai

長岡は、2004年10月23日の中越大震災の中心地でした。震度7を記録した震災の経験から、「中越メモリアル回廊」として複数の施設等で防災学習プログラム等を実施しています。その中核がこの「きおくみらい」。震災に関する展示や記録映像を見たり、床一面には被災当時の航空写真が広がり、iPadとAR機能を使って情報検索をすることができます。

床の地図上にiPadをかざすと様々な情報を見ることができる

床の地図上にiPadをかざすと様々な情報を見ることができる

山古志村を始めとして、大きな地震による被害を大きく受けた地域の様子、またそこから復興してゆく道のりなど、非常に心を動かされました。
いつどこで、次の震災が起きてもおかしくない今、過去の震災に学ぶことはまだまだあると思います。つらい記憶も含めて、こうして広く公開していること、次の防災へつなげなければと思います。
短い時間でしたが、有意義な時間でした。

ー視察報告おわりー