小中学校の屋根の太陽光発電事情・・・その後
3月17日、横浜市は市立小中学校65校へ太陽光発電設備と蓄電池を設置する新たな事業の実施事業者を公募型プロポ ーザル方式により選定したと発表しました。(記者発表資料)
その目的は、再エネを地産地消し、平常時の温室効果ガス排出を抑制すると同時 に、非常時には地域防災拠点等での防災用電源としても活用することとされています。横浜市が掲げる「Zero Carbon Yokohama」の実現に向けた計画の一環です。
小中学校の屋根の太陽光といえば、かれこれ6年前に取り上げた記憶がよみがえりました。
(過去記事「小中学校の屋根の太陽光発電事情・・・」)
その後2015年に、決算特別委員会で取り上げた時点では、市の再生可能エネルギーの設備といえば、298箇所中、217箇所がこの学校の太陽光発電施設でした。しかし、各校たった10kW/hの設備で、蓄電池はありませんでした。この点を指摘してから6年。
ゼロカーボンの旗印の元、ようやく動き出したことになります。
昨年策定された「横浜市再生可能エネルギー活用戦略」の中では、これまで私たちが言い続けてきたことが、随所に形を変えて散りばめられているようです。ゼロカーボンには、横浜市のポテンシャルからすれば、市民のパワーシフトは必須です。その為には市役所が率先行動を見せるべきだと言ってきた市民側の提案に、ようやく施策が近づいてきたといった印象です。
この戦略の中では、「エネルギーの大消費地である横浜が再生可能エネルギーを積極的に導入することが、供給の加速へ とつながる。エネルギーミックスにとらわれず、再生可能エネルギーの最大限の導入を追求」とあります。この言葉に込められた横浜市の積極的な姿勢に、期待したいところです。
さて、今年は国の第6次エネルギー基本計画の改定に向け議論が進められている重要な年でもあります。いち早くゼロカーボンを掲げた横浜市の本気度を、国に対しても見せてほしいものです。
次期改定に向けて、政府は「2050年までにカーボンニュートラル実現」を表明し、気候変動対策を重要な柱に掲げていることでも注目が集まっています。しかし、実現にはどういった電源で、脱炭素化を行うのかが重要な要素です。
今年は3.11から10年。東京電力福島第一原子力発電所事故からも10年の節目の年です。
廃炉の見通しもない。汚染水は海洋放出するしかないと恐ろしい決定がされようとしている今、エネルギー計画においては原子力から撤退する決意を込めるべきです。また、脱炭素に逆行する石炭火力からの脱却を進め、持続可能な再生可能エネルギーへ舵を切る転換を行わなければ、世界からも取り残されていくでしょう。
家庭においては、新電力への切り替えは、ようやく2割。という状況です。まだまだ私たちにもできることがある!
パワーシフトと、家庭や事業所のエネルギーを見直すところから、再び取り組んでいきます。