視察報告3 ー変わる海、水産業はどう適応するか ― 宮城県水産技術総合センター
8月27日、宮城県視察の3箇所目は、石巻市にある宮城県水産技術総合センターを訪れました。
宮城県には143の漁港があり、牡鹿半島を境に、北側にはリアス海岸、南側には仙台湾を形成する砂浜海岸が広がるなど、変化に富んだ海岸地形と豊かな漁場を有しています。
しかし今、その宮城の海でも大きな環境変化が起きています。
急激な海水温上昇が水産業に影響
近年、海水温はこれまでにない高い水準となり、サケやマダラ、サンマなどの不漁、カキ養殖への影響、さらに磯焼けの進行による海藻やアワビへの影響などが現れています。
神奈川も同様ですが、これまで獲れていた魚が獲れなくなるなど、海の変化は水産業の現場にすでに大きな影響を及ぼしていました。
内水面の研究を支える閉鎖循環式陸上養殖
センターでは、内水面水産試験場の老朽化などを背景に、その試験研究機能を移し、閉鎖循環式陸上養殖棟を整備しています。
施設では、飼育水をろ過して循環・再利用。魚の排泄物などを泡沫分離装置で取り除き、カキ殻に付着させた硝化細菌による生物ろ過を行って、再び飼育水として利用します。
ギンザケや「伊達いわな」などを対象に、水温や照度、低塩分水での飼育など、成長促進や種苗生産技術の高度化に向けた研究が行われていました。
河川の水温も上昇しているとのことで、海だけでなく内水面でも環境変化への対応が求められています。
変化する環境に水産業をどう適応させるか
宮城県では現在、「水産業試験研究推進構想」の見直しを進めています。その背景にあるのが、想定を超えるスピードで進む水産業を取り巻く環境の変化です。
海や河川の水温が上がり、魚種や養殖、沿岸の生態系にも影響が広がる中、これまでの水産業を前提とするだけでは対応できない時代になっています。
急激な環境変化に対して、水産業をどう適応させ、持続可能なものとしていくのか。
そのための調査研究と技術開発の重要性を改めて感じた視察でした。





