「小規模保育」なぜ埼玉で広がった?
神奈川ネットがおよそ20年にわたり「小規模で地域にの力を活かした保育所を作る」との思いを少しづつ実践してきた取組みが「小規模保育」として、2015年からいよいよ「子ども・子育て支援新制度」の中で制度化されました。特に横浜市が先駆的に取り組んできた「小規模保育」ですが、新制度の蓋を開けてみると、箇所数では埼玉県が231箇所とトップ!なぜ埼玉県でここまで小規模保育が浸透したのだろうか?との問いを持って、1月25日子ども・若者プロジェクトメンバーで埼玉県浦和市にヒアリングへ出かけました。
さいたま市、埼玉県へのヒアリングの中から、その理由も見えてきました。
埼玉県、さいたま市共に、運営費や施設補助を独自に設けているわけではなく、埼玉県のこれまでの保育制度の事情がそこにはありました。
まず、埼玉県には独自の「家庭保育室」という制度を持っており、その定員が19人と、まさに小規模保育の定員にぴったりはまり、「家庭保育室」の中で力をつけた施設が、新制度にのって無理なく小規模保育へと移行したのでした。
また、さいたま市は、2014年6月の早い段階で、ほぼ全ての認可外施設を対象に説明会と意向調査を行い、市独自で研修を行ったことが、小規模保育へのスムーズな移行の後押しとなったようです。
埼玉県全体でも、さいたま市、川越市、所沢市、越谷市と人口の多い地区に広がりをみせていて、都市部での需要が多いこともわかりました。
課題としては、連携施設の確保、保育人材の確保を挙げていて、どこも同じ問題点を抱えていることも見え、連携施設については、横浜市は、独自の加算を設けていますが、こういった行政の後押しの必要性を感じました。
これから全国で需要の高まりが予想される小規模保育。子育て支援研修のあり方などにも注目をしながら、今後の広がりに期待します。