よこはま地域包括ケア計画(素案)
横浜市の第7期横浜市高齢者保険福祉計画・介護保険事業計画である「よこはま地域包括ケア計画」の素案が公開され、現在パブリックコメントが募集されています。
第7期計画では、2018年度から2020年度を計画期間とし、これから深刻化する超少子高齢化社会に向けて、横浜市が向き合う姿勢を提示す計画となります。
青葉福祉ユニットでは、この第7期計画の素案を元に横浜市の担当者を招き、説明会を開催しました。
今後、後期高齢者人口は急増し、一方の生産年齢人口は減少、さらに要介護認定者、認知症高齢者は増加の一途です。介護の社会化の必要性が叫ばれる中、介護保険制度の方向性が問われています。横浜市高齢者実態調査からは、要介護者の7割が「自宅で暮らしたい」と回答しており、在宅支援はより重要性を増していますが、果たして次期計画は・・・?
第7期計画の基本目標は
「ポジティブ・エイジング」
〜誰もが、いつまでも、どんなときも、自分らしくいられる「横浜型地域包括ケアシステム」
とのこと。ポジティブに年を重ねる。そうありたいという願いは誰もが持つものですが、その思いにどこまで制度が寄り添っているのか。が問われるはずです。
素案を見た感想は、多くの人が「よくわからない」と言うのではないでしょうか?
制度が、改訂を重ねるごとに複雑さを増す介護保険。そこに高齢者保険福祉計画をひとつにまとめた「よこはま地域包括ケア計画」ということで、さらに複雑な印象です。
素案では、次期計画の介護保険料の基準月額は6600円程度と示され、現計画からは610円の引き上げとなっていますが、この額の根拠は不明確です。また、特別養護老人ホームの増床数などが注目されているところですが、単に保険料の引き上げ金額や、整備数の賛否を問うだけではなく、必要性に応じた選択の幅を示してほしいところです。
介護と医療の連携、認知症施策など力を入れて取り組む姿勢も打ち出されていますが、介護サービスの質、量を担保するために、本来一番必要性が高い介護人材の確保策には、担い手の高齢化、減少が進む中、抜本的な解決策は示されていません。
参加者からは、「横浜らしい地域包括ケアはどういうところ?」
「来年から総合事業、どうなる?」
「特養のユニット型(個室)は、高額で入れない人もいる。従来型多床室も必要では?」
などの質問・意見がありました。
これからの社会にしっかりと向き合った高齢者福祉施策に向けて、よりよい次期計画となるよう、多くの声が届きますように!
パブリックコメントは12月28日まで募集されています。
*素案、意見募集のサイトはこちらからご覧になれます。