暮らしを照らす町の拠点へ「くらしてらす」「ピッピみんなの保育園」開所式
4月30日、「くらしてらす」開所式が130人もの組合員、関連団体、太陽光発電所への寄付者参加のもと開催されました。旧緑センターがこの地で稼働したのが1975年。この度「くらしてらす」として新しく生まれ変わり、「FEC+C」食、環境、福祉、働くの自給圏活動を体現する拠点のスタートに、たくさんのエールが寄せられました
市が尾駅から徒歩7分。「くらしてらす」は、1階は、生活クラブの食材や、出来立ての惣菜やパンが購入できる「市が尾デポー」2階は、認可保育園「ピッピみんなの保育園」、3階は組合員や地域の人々が集う広い多目的スペースとなっています。
「これまでの生活クラブスピリッツを受け継ぎつつ、新たな拠点から、これからの未来を広げていきたい。」と生活クラブ神奈川理事長 藤田ほのみさんは力強く述べられました。
WCA理事長の向田映子さんからは、この地から、代理人運動を生み出したことも語られ、神奈川ネットもここから始まり、今に繋がる活動として原点を改めて見た思いです。
屋上の太陽光発電所は、すでに発電を開始、自家消費に当てられています。この大きな3階建の建物の電気の8割を賄い、残りの2割は生活クラブでんきから購入。100%自然エネルギーをほぼ達成している。との報告もありました。229人29団体361万円の寄付で作られた発電所は、建物入り口の銅板に寄付者の名前が刻まれています。寄付者を代表の松本恩さんは、「40年前、この地で環境問題に取り組み、資源回収に駆けずり回った。あれから、8割を自給するところまで到達したか!」と感動の念を口にされました。
希望に溢れた「場」として、たくさんの人が期待を寄せ、作り上げてゆく、望む未来を予感させる開会式でした。
この日は、「くらしてらす」の2階「ピッピみんなの保育園」の開所式も開催されました。
ピッピ・親子サポートネットが「地域に暮らす女性が、働いていてもいなくても、みんなが自分らしく暮らしていけることを目指して」設立されたのが2005年。その時々のニーズに応じて築いてきた歴史に、また新しいステージが誕生しました。
「ピッピみんなの保育園」は、無垢の木の香りに包まれ、保育室がテラスを囲むように配置された日差し溢れる居心地のよい柔らかな空間です。この日は、テラスに子どもたちの手形で彩られた鯉のぼりが優雅に泳いでいました。日常の子ども達の様子を動画で拝見し、すっかり癒された参加者一同。
理事長の友澤ゆみ子さんは、挨拶の中で「いろんな困難を抱えた人が増え、働き方も多様になっている中で、これまで進めてきた一時保育のニーズはますます高まり、ソーシャルワークの必要性を感じている。「くらしてらす」が保育園をコアにして、「町の拠点」になってゆくことを願っている。」とお話しされました。
また、保育園をコアにしたまちづくりを考える「まち保育」は、横浜市立大学准教授 三輪律江先生がピッピ保育園も共に進めてきた試みです。三輪先生は、祝辞の中でみんなの保育園は、「みんなの保育」+「園」と町がみんなで保育する。そんなイメージが広がるいい名前だと仰いました。まち保育の「町で育つ。町が育つ。町で育てる。町が育てる。」という4つのステージ。この育ちは最終的に町が育っていくステップです。
「くらしてらす」を中心に世代や立場を超えて様々な人が集い、環境や福祉、そして子育てをつなぐ場になる明るい未来予想図を「くらしてらす」「ピッピみんなの保育園」の開所式で見た思いです。