香害・イソシアネート の影響を知る

2月2日、「香害・化学物質対策プロジェクト」では、小児科医の角田和彦先生をお迎えし、香害学習会を開催しました。
角田先生は、宮城県多賀城市で、化学物質に敏感な小児、化学物質過敏症の人のために設計したクリニックを2001年から開設しています。今回、宮城県から横浜まで来てくださるとのことで、遠方からも当事者を含む多くの方が参加しました。

今回のテーマは、「イソシアネートの影響を知る」

香害の原因は特定できていませんが、大きな影響を与えているのではないかと言われているのが、強い発ガン性をもつ「イソシアネート」。これが、人工香料を包むマイクロカプセルの原料に含まれていることが指摘されています。
「イソシアネート」の毒性は非常に強く、「トルエンジイソシアネート(TDI)」の許容濃度はトルエンの2万分の一。過去には、インドで工場から「イソシアネート」を含んだガスが漏れる事故で8000人が死亡する事故が起きています。
そんな恐ろしいものが日常生活の中に?と驚きますが、「イソシアネート」は「ウレタン」に含まれており、そのウレタンが多くマイクロカプセルの原料になっているのです。例えば、柔軟剤ならば、キャップⅠ杯に約1億個。マイクロカプセルが壊れると香りを放ち、同時にイソシアネートが揮発します。
他にも衣類の繊維に含まれる「ポリウレタン」。「ポリウレタン」自体は毒性はありませんが、古くなり劣化するとウレタンが壊れて「イソシアネート」が出てきてしまう。他にも近年、道路、壁、屋根、農薬、肥料、タイヤ、接着剤など身の回りに多くのウレタンが使用されています。
こうして「イソシアネート」に暴露する機会が増えた結果、過去にはほとんどなかったイソシアネートに対するアレルギー反応を持つ人が増えていると角田先生の調査研究からわかってきたそうです。
思わず、帰宅してから、家にある衣料やマットレスなどを確認しました。
靴下にもタイツにも、下着にも、トレーナーにも、ストレッチジーンズにも、「ポリウレタン」は使用されています。自宅のマットレスもウレタン製品では?知らないうちに私たちの身の回りになかなか排除できないところまで溢れていることがわかりました。

アレルギーなどの仕組みは、原因となる物質を繰り返し、接触・吸入・摂取することで、危険と体が判断をし、再度接触・吸入・摂取すると発病します。
アレルギーは、防衛反応。
一方、アトピー性皮膚炎は、化学物質の排泄だと先生はおっしゃいます。
アレルギーはブロック、アトピーは排泄。そのいずれもできない人が、化学物質過敏症になってしまうのだと先生は分析されています。

これまでも「PCB」のように身の回りにあったものが、多くの被害を出し、のちに使用を規制された例は多くあります。
「イソシアネート 」が規制の対象になる日も近いと角田先生は言います。
また、「ネオニコチノイド」や「グリホサート」の影響と健康被害についても言及されました。
多くの人がアレルギーやアトピーに悩み、化学物質過敏症の人は、その苦しい状況すら知られていないのが現状です。健康被害を引き起こす化学物質を規制するまでには、常に時間がかかり、その間化学物質を避けて暮らしてゆくには、周囲の理解も必要です。
化学物質が溢れれば溢れるほど、避けねば暮らせない人も増えていくのではないでしょうか?
日々の暮らしを見直すこと、情報を共有すること、そして対策を求めていくこと。香害・化学物質の対策を暮らしから取り組んでいきます。