「第6次エネルギー基本計画」パブコメ締め切り間近

第6次エネルギー基本計画が現在パブリックコメント募集中です。
締め切りが10月4日23時59分ですので、あまり時間がありませんが、できるだけたくさんの意見を届けたい!
私が気になったところをちょっとご紹介すると、
概要版によると『エネルギー基本計画(素案)の全体像』は、

「新たなエネルギー基本計画(素案)では、2050年カーボンニュートラル(2020年10月表明)、
温室効果ガス削減割合2030年の 46%削減、更に50%の高みを目指して挑戦を続ける新たな削減目標(2021年4月表明)の実現に向けたエネルギー政策の道筋を示すことが重要テーマ。」

とされていますが、うーん。結局何%なのかよくわからないですね。
わかりやすく再エネ導入比率で示すと

2030年度の電源構成目標:再生エネルギーの比率「36~38%」(19年度実績の約2倍)

とのことです。あまり高い目標とは言えません。

さらに問題は、この「再エネ」の中に「原子力」が含まれていること。

気になって仕方ないこの原子力政策については、

「福島第一原子力発電所事故の経験、反省と教訓を肝に銘じて、エネルギー政策の再出発を図っていくことが今回のエネルギー基本計画の見直しの原点となっている。」(素案7ページ)

としながらも、原子力発電を再生可能エネルギーの一つと位置付け、

「優れた安定供給性と効率性を有しており、運転コストが低廉で変動も少なく、運転時には温室効果ガスの排出もないことから、安全性の確保を大前提に、長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源である。」としています。(素案34ページ)

ちゃんと汚染水の海洋放出にも言及しています。

「厳格な安全性の担保や政府一丸となって行う風評対策の徹底を前提に、2年程度後を目途に、福島第一原子力発電所において海洋放出を行う。」(素案9ページ)

この安全性の担保って言うのは、影響が出る可能性を先んじて「ない」と言うに等しいこと。
風評対策を前提にするのであれば、やらないことが一番の対策であるはずです。

さらに、
『原子力政策の再構築』(65ページ)なんて項目もあり、

「原子力発電所事故の真摯な反省」と題しながらも、

「新たな連携体制として「再稼働加速タスクフォース」を立ち上げ、外部専門家を含め人材や知見を集約し、審査中の泊、島根、浜岡、東通、志賀、大間及び敦賀において、原子力規制委員会による設置変更許可等の審査及び原子力事業者による使用前事業者検査の的確かつ円滑な対応、現場技術力の維持・向上を進める。」

なんてあります!

で、結局は、

「原子力事業者は、(中略)迅速かつ最善の安全対策を講じ、地球温暖化対策やベースロード電源による安定的な供給に貢献することが求められている。」
「引き続き関係自治体や国際社会の理解を得つつ取り組むこととし、再処理やプルサーマル等を推進する。」

とまあ・・・かなりな原子力に前向きな感じ。

様々な再エネの可能性を追求しながらも、結局はこの『原子力の再構築』でずっこけた気分。
福島第一原子力発電所の事故から10年。この節目にこそ、原子力からの脱却を高らかにうたってほしい。

収束の見通しもない。
10年前福島で失われたものは、今もそのままです。
真摯な反省から、こういう計画が生まれるとは思えません。

これは、意見しないと!!

ぜひ皆さんもご意見を送ってください。

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横浜の風力発電所「ハマウィング」(本文とは直接関係ありません)