特別支援学校と福祉避難所 〜災害時の活用〜
ある日、障がいのある子どもたちの放課後の居場所「放課後等デイサービス」で働いているネット青葉の三浦紀子代表から、特別支援学校の福祉避難所としての活用について課題提起がありました。
災害時、障害を持つ子どもたちの避難所として、多くの避難所が適しているとは限らず、むしろ不安だろうということは容易に想像できます。過ごし慣れた場を福祉避難所として利用することができたら・・・備蓄も行動計画も立てやすいのではないかと思い、ちょっと調べてみました。
福祉避難所の指定は、県ではなく、市町村が行いますが、県立特別支援学校29校のうち、福祉避難所の指定を受けているのは21校。指定を受けていない8校のうち7校が横浜市域の学校でした。
また、分教室は、多くが県立高等学校に設置されていることが多いが、福祉避難所の指定されている教室はありません。
もちろん、立地の問題など(ハザードマップの浸水地域にあるなど)個々の課題はありますが、なんで横浜市に偏っているのか・・・
横浜市に聞いてみると。
条件の問題以外特に理由はないとのこと。福祉避難所を増やしたいと言う意向は持っているようでした。
一方で、横浜市立の特別支援学校に関しては、災害時、児童生徒とその保護者が避難するところ。という考えで、市立の特別支援学校は、福祉避難所に準ずるところとして、指定は、していないそう。なるほど!これは一理ありますね。
めざすはインクルーシブだけど・・・
災害時、障害がある人にとってこれを乗り越えることは、障害を持たない人とは比にならない苦労を要する可能性があると思います。
一言に福祉避難所と言っても、高齢の人と障害の人、それぞれの特性に応じた過ごし方は全く違います。備蓄の種類も違ってくるでしょう。本来ならば、どこの避難所でも要配慮の人たちを受け入れる体制が整い、かつ、地域の人がそれを理解して共に避難する姿が望ましいのだろうと思いますが、今はまだ、日常生活の中でインクルーシブを推進していく途上にあり現実問題としての対策が必要です。
通う児童生徒の目線に立って、災害時の行動計画はもちろんですが、特別支援学校の避難所としてのあり方を検討していく必要があると思います。
10月2日の文教常任委員会でも、この件について課題提起しました。
当然ながら、検討する旨答弁がありましたが、私たちも引き続き地域で当事者、その家族とともに、考えていきたいと思います。