県議会が閉会 〜脱炭素政策についての請願は?

12月18日、9月7日から103日間に及ぶ神奈川県議会第3回定例会が閉会しました。

提案された議案は、すべて可決されましたが、私は、123号議案 「知事及び副知事の給与等に関する条例等の一部を改正する条例」131号「県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関
する条例の一部を改正する条例」の2議案に反対しました。いずれも期末手当を増額するものです。

また、生活クラブ神奈川から「脱原発、脱炭素と再生可能エネルギー政策についての意見書の提出を求める請願」が提出され、紹介議員になりましたが、賛成少数で不採択となりました。
請願全文はこちらこちら

今年の夏は、過去最高という言葉を何度も耳にする非常に暑い夏でした。この気温上昇が続けば、命の危機に晒されるという実感を多くの人が抱きました。豪雨などの災害は世界中で激甚化しています。気候変動の脅威を感じざるをえません。

2015年のパリ協定の1.5度以内に収める世界の目標は、このままでは達成が難しく、より深刻な気候危機を引き起こします。
今年3月のIPCC第6次評価報告書(統合報告書)では、この目標達成のために「2035年までに世界全体で60%の温室効果ガスの削減」を求めています。先進諸国は、2035年までに電力部門の再生可能エネルギー導入目標を70~80%とし、再生可能エネルギーへの転換を加速しています。

また、先日UAEで開催されていたCOP28において、「2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロを達成するため、化石燃料からの脱却を進め、この重要な10年間で行動を加速させる」との合意文書が採択されました。さらに太陽光・風力といった自然エネルギーとエネルギー効率を、2030年までに3倍に拡大させる目標も明記されています。これを受けて、日本もより強力な炭素削減計画への見直しが必要です。

今請願は、こうした世界の目標実現に向けて必要な対策を求めています。

ひとつに、「脱原発、脱石炭火力を脱炭素政策の柱として早急に実現すること」
ふたつめに、「エネルギー基本計画を早急に改正し、2035年の再生可能エネルギー電力目標80%以上。」
これら、高い目標を掲げ、実現の意気込みを示していくことは、これまで温暖化対策に先駆的に取り組んできた神奈川県にこそ求められる姿勢です。
また、3つめ、「発電と送配電の所有権分離と再生可能エネルギーの優先接続・優先給電政策」は、その実現に欠かせない最優先課題であり、ぜひとも国へ県議会も一致して求めていくべきと考えます。

県政の一翼を担う県議会が、神奈川県、そして日本、さらに世界の未来を考え、施策を講じていくための高い目標を持たず、気候危機対策という未来への責任を示すことができなかったことは非常に残念です。

今議会、文教常任委員会では、学校改修や、空調設備の補正予算について質疑を行いました。
改修工事は脱炭素化のチャンスであり、省エネルギー化はプラスの改修ですが、学校断熱も省エネルギー対策もしないのです。
県の温暖化対策との整合性がとれていないのではないかと投げかけました。
補正予算の改修工事は、私の母校でもあります。先日酷暑の日に訪れる機会がありました。
改修工事中ということで、プレハブ校舎が建っていますが、そのプレハブの校舎の方が本校舎より断熱性能が良く、涼しいのです。改修工事が終了すれば、せっかく綺麗な校舎に移れるのに、環境的には、「暑い」もしくは「寒い」という状況に戻ってしまう。これでは可哀想・・・。
改修工事の内容を変更することは叶いませんでしたが、この先の提案に繋げていきたいと思います。

ちなみに、今回の委員会で最も質問が挙がったのは、「神奈川県児童生徒の問題行動不登校等調査結果」でした。
暴力行為 は、合計で9541件前年より1106件の増加
いじめ の認知件数は、合計38087件で昨年から7252件の増
不登校 での長期欠席は、小中で20323人、昨年から3667人増
高校で3629人昨年からは726人増
と深刻な神奈川県の学校の状況です。
原因はこれだ!とは言えず、教員の不足や多忙化など背景は様々と思いますが、私からは、学校の「居心地のよい環境」を整えることを提案しました。断熱化にも関係する「暑い」「寒い」はもちろんのこと、無駄のない無機質な学校というイメージを変えてみるのはどうかと思うのです。
また、不登校支援については、本人の学び方の選択という「個別最適な学び」として、社会が受け入れる姿勢を見せていくことが必要だと主張しました。