住民投票の意義を考える

横浜市のカジノの是非を問う住民投票条例制定の直接請求は、コロナで延期。今秋にも再開の予定です。
そんな中飛び込んできた『いばらき原発県民投票』のニュース。
東海第2原発の再稼働の是非を問う県民投票条例制定を求める直接請求運動が、86703筆の署名を集めて本請求された。というものでした。(法廷必要数48601筆)

そこで、13日には、横浜未来アクション主催、茨城と横浜をつなぐ、
「リアルに進行中『いばらき原発県民投票』の今を聴く!と題したオンラインミニフォーラムが開催されました。
オンラインで茨城と横浜をつなぎ、つくば・市民ネットワーク 事務局長で、いばらき県民投票の会 事務局の永井悦子さんに、今まさに展開される直接請求の状況を伺いました。
いばらき原発県民投票の会は活動方針に「民主主義の共通体験のプラットフォーム」を掲げています。
私たちの直接請求運動も、カジノ誘致という重大事業を一方的に決定するプロセスに対し、
市民が共に未来を考え提案するという「まちづくり」をしようという問いかけであり、民主主義をもう一度作り直す機会でもあるはず。
この方針に大いに共感し、その本請求までの道のりにたくさんの勇気をもらいました。

つくば・市民ネットの永井さん、宇野さんのお話を伺いました。

 

さて、茨城の県議会は、6月23日本会議で直接請求された県民投票条例案を5:53で否決しました。
市民の多くが「賛否を投票で決めたい」と求めたことを、議会が否決するというのは、驚きですが、
いばらき県民投票の会では、即座に継続審議を求める要望書を提出し、議会での各会派の反対意見表明に対し、問題点を詳細に指摘するという活動を、諦めることなく引き続き進めています。

武田真一郎先生の著書。参考にさせていただいています。市民参加のレシピという副題がいいですね。

 

徳島の吉野川可動堰建設、沖縄県民投票等に携わってきた武田真一郎(成蹊大学)教授によれば、
住民投票を実施するのは、現在決して容易ではなく、近年実施された住民投票の多くは市町村合併に関するものです。
それを除いた重要争点型の住民投票条例の可決率は、13.4%に過ぎないとのこと。(2007年までの[国民投票/住民投票]情報室調べ)
しかし、こうした運動は、必ず政策を動かす。と言います。
地域のことを一番考えられるのは、そこに住んでいる人たち。
そのことを再認識する住民投票を求めることは、賛否を超えて、地域について考える民主主義の土壌を耕していくのだと思います。

そして、このコロナ禍により、私たちははっきりと「新しい社会」を認識するに至りました。

21日には、横浜未来アクションは、オンラインでは初めてのミニフォーラムを開催。
国会や市会の動きを共有し、複雑な直接請求の仕組みについて解説。
そもそも時代錯誤で、課題だらけの直接請求の仕組み。対面が必須となり、このコロナ禍でさらに現実から遠のいてしまいかねません。
けれどもそれを超えて、私たちは望む未来を作っていかないとならないわけで。

『こんな時代にカジノかよ』

なぜ、このシンプルな問いが市長に、多くの議員に届かないのか。という憤りはありますが、
自分たちの未来ですから、自分たちで決める。その運動に、取り組んでいくしかありません。

カジノの是非を問う住民投票の直接請求署名は9月頃の開始が予定されています。